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韓米「FTA交渉、実質的進展」…ワシントンで鉄鋼関税防ぎに総力戦

登録:2018-03-19 07:22 修正:2018-03-19 16:17
交渉開始後、両国で初めての評価 
通商長官会談も並行して加速 
韓国側の譲歩で交渉が進展した可能性も 
通商交渉本部長「FTAも鉄鋼も予測不可能」 
 
米国に対する通商ラインは全員ワシントンに残り 
鉄鋼25%関税の防御のため背水の陣
1月5日、米ワシントンで開かれた韓米FTA改定1次交渉の様子=産業部提供//ハンギョレ新聞社

 韓米自由貿易協定(FTA)改定交渉で、両国が「イシュー別に実質的進展を得た」と明らかにし、鉄鋼関税と改定交渉の両方に分水嶺となるようなやり取りが行われたのではないかという観測が出ている。「通商拡大法232条」による鉄鋼関税の効力発生期限(23日)を目前に、韓国の対米通商チームは全員が米国ワシントンに残り、総力戦を繰り広げている。

 15~16日(現地時間)、ワシントンで開かれた韓米FTA改定3次交渉が終わった直後、政府は短い報道資料で「双方は集中的な協議を通じてイシュー別に実質的な議論の進展を得て、今後の交渉を速やかに進める必要性に認識を合わせた」と明らかにした。ワシントンに滞在しているキム・ヒョンジョン通商交渉本部長も16日、聯合ニュースとの電話取材で「韓米FTAは予測不可能であり、232条(鉄鋼)も努力し続けているが、どうなるか一度見てみなければ」とし、「(FTA交渉は)具体的に答えにくいが、いくつかのイシューで進展があった」と述べた。

米国の鉄鋼総収入額と比べた232条関税賦課対象製品の割合//ハンギョレ新聞社

 報道資料に明示された「実質的な議論の進展」は、1月初めの初交渉開始後、両国の交渉チームのブリーフィングや資料で初めて登場した表現だ。特に「貿易収支の不均衡解消」を掲げ、一方的に協定改正を要求し貫徹させた米国も「実質的進展」と評価しているという点で注目すべき部分だ。今回は15日のユ・ミョンヒ通商交渉室長とマイケル・ビモン米通商代表部(USTR)代表補がそれぞれ首席代表として出席した実務交渉テーブルとは別に、キム本部長とロバート・ライトハイザー通商代表部代表が直接談判に乗り出した「韓米通商長官会談」がともに開かれた。交渉が膠着状態に陥っている局面で突破口を設けるため、急きょ韓米FTA改定と関連して初の通商長官会談を開いたわけだ。特に、ドナルド・トランプ米大統領が最近、米通商代表部に交渉が進まないことについて強い不満を表し「廃棄」を再び言及すると、両国が緊急長官会議を開き、争点妥協を試みたという。

 韓米両国は1・2次交渉の時とは違い、交渉結果に対するブリーフィングや言及を一切控えている。このように変わった態度は、今回の交渉が終盤の鉄鋼ロビー戦と直接連携しており、両国の間にこれまで提起された各種の争点でかなり進展があったことを示唆しているという分析が出ている。両国は特に「双方は1・2次交渉の際に関心事項で取り上げられた事項について、分野別技術協議を含めた深度ある論議を進めた」と明らかにした。貿易協定で「技術協議」は協定文に書かれる文言をめぐる協議を意味する。「かなりの進展」を足がかりに、改定協定文案作成にまで徐々にエンジンがかかったということだ。これによって改定交渉はスピード感を出し、今年上半期内に、つまり北米自由貿易協定(NAFTA)と同時期に最終妥結に至ることもあるという観測も出ている。

 今回の「交渉の進展」と関連して、両国が鉄鋼とFTAの間で妙案を探しだしたというよりは、韓国が米国産自動車輸入非関税の障壁(環境・安全基準の緩和など)や自動車、原産地などで一定の譲歩案を提示し、妥協が行われたのではないかという観測が出ている。韓国交渉チームは今回、米国の韓国製洗濯機・太陽光パネルのセーフガード(緊急輸入制限)による正当な被害補償措置として、米国産牛肉に対し報復関税を賦課しうるという言及をほのめかし、相手の無理な要求に対抗したものと知られる。

 鉄鋼と連携した今回のFTA交渉で進展があっただけに、鉄鋼関税でも韓国がある程度の“成果”を上げられるという観測も出ているが、まだ不透明だ。米国の国家別全体鉄鋼輸入額のうち、今回の「通商拡大法232条」鉄鋼輸入規制対象製品が占める割合は韓国が73.6%で、欧州連合(56.7%)・日本(57.6%)より高い。ブラジル(78.5%)に続いて打撃が最も大きい。

チョ・ゲワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/836624.html韓国語原文入力::2018-03-18 21:08
訳M.C

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