本文に移動
全体  > 経済

就業者に聞いた年間労働時間、労働時間最長国のメキシコとたった14時間差

登録:2017-12-06 07:10 修正:2017-12-06 16:56
OECDに韓国労働時間「過少報告」の議論 
統計庁、昨年集計2241時間 
OECD提出資料には2069時間  
「OECDに172時間を短く報告」 
 
経済活動人口調査した統計庁 
今年から事業体調査に変えて提出 
「一カ月単位の安定的な調査」挙げるが 
労働時間が縮小されるという指摘が多い
ソウル光化門交差点で初出勤の会社員たちが力強く足を運んでいる=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 昨年の韓国の就業者の年間労働時間は2241時間か、それとも2069時間か?

 経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち、メキシコに続き二番目に長い韓国の就業者の年間労働時間が過少に計算されたという主張が提起された。これによって国際比較に使われる年間労働時間を集計する基準をめぐる論議が起こる見通しだ。

 韓国労働社会研究所のキム・ユソン先任研究委員は、5日に発表する報告書「統計庁の思いのままに減る韓国の労働時間」で「統計庁経済活動人口調査を基準にすると、昨年の全体就業者の年間労働時間は2241時間だが、OECDに提出した資料はこれより172時間も短い2069時間と報告した」とし、「労働時間は就業者に直接質問して回答を得た経済活動人口調査を土台にしなければならないのに、企業に問う事業体調査を反映してOECDに提出したため、このような違いが生じた」と主張した。年間労働時間を調査する方式は大きく二つに分けられる。まず、統計庁は経済活動人口調査で満15歳以上就業者に毎月15日が含まれている週の労働時間を尋ねている。また他の方法は、雇用労働部の事業体労働力調査がある。5人以上の事業体の事業主に、職員らの月労働時間を尋ねる方式だ。この二つの方式は、回答者(就業者と事業主)と調査対象(就業者と賃金労働者)、調査期間(週と月)がそれぞれ異なるため、結果も違う。

2016年 韓国の年間労働時間//ハンギョレ新聞社

 統計庁は、雇用部の事業体労働力調査で賃金労働者の年間労働時間を把握し、経済活動人口調査で自営業者の労働時間を把握してOECDに提出している。事業体労働力調査は一カ月単位で労働時間を集計するため、週当りの労働時間を調査する経済活動人口調査よりも安定的だという理由からだ。

 しかし、キム・ユソン先任研究委員は「経済活動人口調査は雇用率、失業率などを生産する国家の雇用政策で最も重要な指標だが、とりわけ労働時間だけこの統計を活用しない」とし、「労働時間が縮小されるという指摘が多い事業体調査統計をOECD作成方式に新しく導入したことも適切でない」と批判した。

 統計庁が事業体調査を活用してOECDに統計を提出し始めたのは今年からだ。1980年から昨年まで韓国銀行(2000年以前)と統計庁(2000年以後)は、経済活動人口調査を土台にOECDに就業者の年間労働時間を提出してきた。しかし、既存の労働時間集計方式にはまた別の問題が隠れていた。労働時間が週30時間未満の就業者には0.5の加重値を、30時間以上の就業者には1の加重値を付与してきたのだ。

 これに対して、統計庁の関係者は「経済活動人口調査は一週間の労働時間を調べるのに、旧正月や秋夕などの休日がない場合が多く、年間労働時間で単純計算すると過大計上されうる。また、自営業者などは労働時間を増やして答弁する傾向がある。それで、かつて韓国銀行が年間労働時間の統計を出していた時代から重み付けの方式を使ってきた」と説明した。しかし、このような方式はパートタイム就業者の割合が高くなるほど、年間労働時間を歪曲する問題点を生む。実際に週30時間未満の就業者数は、1990年には全体就業者比4.5%に止まったが、昨年は10.7%に増えた。国際比較に使われた韓国の年間労働時間が長い期間過少推計されてきたということを意味する内容だ。

 他の諸国の場合、国別にOECDに提出する年間労働時間の調査方式が異なる。事業体調査をもととする国(米国)もあり、就業者調査をもととする国(英国、ニュージーランド)もあり、両方式を混合する国(日本)もある。韓国が新しく採択した「事業体調査基盤、就業者調査補完」方式は日本と同じだ。

 OECDが発表した昨年の韓国の年間労働時間は2069時間で、35の加盟国のうちメキシコ(2255時間)に続いて2位だ。OECD平均(1763時間)より306時間長く、労働時間が最も少ないドイツ(1363時間)に比べては706時間も長く働いている。もしキム・ユソン先任研究委員が指摘した通り、経済活動人口調査をもとにして年間労働時間(2241時間)を作成しOECDに提出する場合は、メキシコと14時間しか差が出ない。いつでもOECD最下位に転落しかねないということだ。文在寅(ムン・ジェイン)政府は、2022年までに労働者の年間労働時間を1800時間台に短縮することを国政課題に掲げている。

チョン・ウンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/822044.html韓国語原文入力:2017-12-05 15:36
訳M.C

関連記事