サムスン電子がユーチューブを通じて競争会社のテレビ製品との比較実験を発表したのに続き、グローバル調査機関の市場占有率結果が正しくないと主張するなど、テレビの実績をめぐり敏感に対応している。サムスン電子は、クォン・オヒョン副会長が辞任した後、大規模役員人事を控えている。
サムスン電子家電部門映像ディスプレイ事業部は20日「グローバルTV市場のトレンド」ブリーフィングを開いた。サムスン電子のイ・ユン専務は「2500ドル以上の価格帯のテレビ市場で、年初には苦戦したが、競争会社との差を広げている。通常、年末である第4四半期に(販売が)増えることを考えれば、さらに上昇すると見られる」と話した。サムスン電子は、今年初めに画質を改善した新しいプレミアム級LCD(液晶表示装置)テレビ“QLED”を出したが、市場ではOLED(有機発光ダイオード)テレビの販売が増え、期待に達していないという評価を受けた。
この日サムスン電子は、ドイツの市場調査機関であるGFKが出した2500ドル以上プレミアム級テレビの市場占有率結果に基づいて、サムスンが今年第1四半期の33%から第2四半期には38%に上昇したのに続き、8月基準では42%まで上がったと明らかにした。一方、市場調査機関IHSの結果を見れば、サムスンはこの市場で第1四半期11%、第2四半期17%に終わり、競争企業等に遅れをとっていると出てくる。2015年にはサムスンがこの市場の半分を占めた。LG電子はIHSの結果に基づいて、プレミアム級市場でOLEDテレビジョンがサムスンLCDテレビを追い抜いたと主張している。
サムスン電子は、市場調査機関の集計方式のために出てきた“錯視”効果だと主張した。IHSは、メーカーが流通に送る販売量と、テレビのカテゴリー別推定平均価格を基準にして集計するが、GFKは実際の流通売場で販売された販売量と価格をコンピューター集計するため、データが異なるという説明だ。サムスン電子のチョ・ソンヒョクTVマーケティングチーム常務は「電子業界ではGFKの資料をより多く使う」と付け加えた。すなわち、GFKの資料に基づいて見るとき、サムスン電子の市場占有率が依然として世界1位だという説明だ。
しかしサムスンのこうした説明は異例だ。11年間、世界テレビ販売1位であったサムスンは、これまで市場占有率の結果をめぐり市場調査機関のせいにしたことはなかった。ブリーフィングの質疑応答で「以前にはなかったイシューがなぜ今年ふくらんだのか」という質問が出され、サムスン側は「OLED製品の導入初期には大きな問題はなかったが、今年はIHS占有率(サムスン)が下がるのが見えて(調査の)問題点が把握された」と説明した。
証券街では、サムスン電子が今年第3四半期に14兆ウォン(約1.4兆円)を超える史上最高の営業利益をおさめたが、家電部門の営業利益は約4000億ウォン(400億円)程度に終わったと推定している。営業利益率も今年第2四半期に2.9%に下落した状態だ。一方、LG電子のテレビを担当するHE事業部門の営業利益率は8.5%であった。電子業界関係者は「プレミアム市場で販売が振るわなければ、在庫を圧縮するために価格を下げなければならない。その結果、収益性に問題が生ずる。サムスン電子がどれほど差し迫っているかを知ることが出来る」と話した。
イ・ユン専務は「QLED新製品が導入され、低価格商品(Low-end)の販売量(パーセント)は二桁の数字が減ったが、売上金額は一桁台の成長をした。プレミアム級販売に構造を切り替えていて、正確な数字をいうことは難しいが今年末には良い実績を出せると期待する」と話した。