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朴槿恵政権4年、成長はなく借金だけ残った

登録:2017-04-05 00:03 修正:2017-04-05 13:53
Weconomy 朴槿恵政権4年の財政政策評価 
中途半端な政策で借金に増えて浮揚効果も微々たるものに 
「増税無き福祉は虚構という事実が数字で証明された」
国家債務及び国家債務比率の推移(資料:企画財政府)//ハンギョレ新聞社
国家負債184兆ウォン。グラフィック=チャン・ウンヨン//ハンギョレ新聞社
国家債務及び国家債務比率の推移(資料:企画財政府)//ハンギョレ新聞社

 「増税無き福祉」を掲げた朴槿恵(パク・クネ)政権は景気刺激や福祉拡大に向けて財政を投入したが、結果的に効果は半減され、負債だけが増えた。昨年、税収の増加規模が史上最大を記録するほど拡大したため、財政収支は改善されたが、国民の家計は好転していないと評価される。

 4日に議決された「2016年会計年度の国家決算」報告書によると、朴槿恵政権4年間で増加した国家債務(一般政府+地方政府・D1)は184兆ウォン(約18兆1千億円)に達する。李明博(イ・ミョンバク)政権(143兆9千億ウォン<約14兆1千億円>)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権(165兆4千億ウォン<約16兆2千億円>)より増加幅は大きいが、国民経済規模そのものが大きくなったことを考慮すれば、債務増加額だけで単純に評価することはできない。

 政府は比較的善戦したと自評している。昨年、経済協力開発機構(OECD)加盟国の対国内総生産(GDP)比の一般政府負債(D2=D1+非営利公共機関の負債)の割合は、平均116.3%に達する。韓国の国家債務比率(D1、D2)が30~40%台に止まっている点を勘案すれば、まだ財政余力が十分あるということだ。企画財政部のイ・スンチョル財政管理局長は「経済環境が良くない中で、財政が後押しをしてきた。朴槿恵政権4年間の負債の増加幅が大きいのは事実だが、税収の実績と非課税減免の縮小などを通じて善戦した」と話した。

 統合財政収支から4大保障性基金を除いて政府の実際の財政状態を表す管理財政収支も改善された。昨年、総歳入は345兆ウォン(約33兆9千億円)、総歳出は332兆2千億ウォン(約32兆6千億円)で、決算上の余剰金は12兆8千億ウォン(約1兆3千億円)だ。管理財政収支はGDPの-1.4%水準の22兆7千億ウォン(約2兆2千億円)の赤字を記録したが、これは前年より15兆3千億ウォン(約1兆5千億円)減った規模だ。経済学界では、管理財政収支の割合が大体-3~-4%水準までは容認できるものと見ている。政府は拡張的に財政運用を展開してきたと強調しているが、実際には非常に安定的な財政運用をしてきたことがわかる。

対GDP比財政収支比率の推移(資料:企画財政府、単位:%)//ハンギョレ新聞社

 専門家らは、朴槿恵政権4年間の財政政策が二兎を追って一兎も得られなかった“中途半端な”政策だったと評価する。毎年、楽観的な景気展望に基づいて本予算を保守的に組んでから、成長率が予想値より下がれば、追加補正予算を編成したのが端的な例に挙げられる。4年間で補正予算は3回も編成された。補正予算は編成期間が短いため、効率性が低く、国債発行に直結される短所がある。

 明智大学のウ・ソクジン教授は「補正予算には国会などで拒否された事業を入れる場合が多い」とし、「赤字財政を運用する時は、その効果が極大化できるように効率的な予算編成と執行をしなければならないが、効果的な予算執行として記憶に残るものがない」と話した。延世大学のキム・ジョンシク教授は「企業が投資をせず、資金繰りに行き詰って、家計は消費に乗り出していない構造が固定化されている」としたうえで「構造的低迷局面に対応するため、財政が人為的な景気浮揚の役割を担うのは当たり前のことだが、朴槿恵政権の財政執行の効率性がよかったのかは確認してみなければならない部分」だと指摘した。

 根本的に歳入拡充案に基づいていない財政政策の限界が明らかになったという指摘もある。朴槿恵政権は「増税無き福祉」を財政政策の基調に宣言し、李明博政権の減税政策の基調をそのまま引き継いだ。非課税減免の整備、地下経済の陽性化などが代案として提示されたが、結果的に“乾いた雑巾絞り”にとどまったという。OECD統計を基準に2012~2015年の対国内総生産比の一般政府負債(D2)の割合がどれほど増えたのか見てみると、韓国は3年間で5.81%ポイント上がったことが分かった。すでに福祉制度が定着したスウェーデン(6.98%ポイント)、フランス(10.58%ポイント)よりも少なく、拡張的財政政策を繰り広げた日本(13.86%ポイント)の半分を下回る水準だ。仁川大学のファン・ソンヒョン教授は「たばこ税、法人税など一時的な税収扶養の効果で、財政収支が好転しているが、今のような財政政策を維持するのは難しいと思われる。財政の健全性を保ちながら、財政の役割を果たすためには根本的には税収を増やすための対策が伴わなければならない」と話した。

ノ・ヒョンウン、パン・ジュンホ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/789274.html 韓国語原文入力:2017-04-04 19:00
訳H.J(2182字)
国家債務及び国家債務比率の推移(資料:企画財政府)//ハンギョレ新聞社
国家債務及び国家債務比率の推移(資料:企画財政府)//ハンギョレ新聞社

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