本文に移動
全体  > 経済

企業ら「大統領府の要請、無視できなかった」「請託はなかった」

登録:2016-11-20 23:23 修正:2016-11-21 06:14
検察の起訴状に朴大統領側から企業への圧迫を明示 
総帥捜査、会長連任など弱みを持つ企業 
陰の側近・大統領府政策首席秘書官の専横に乗せられる
2月に朴槿恵大統領と個別面談した疑惑のある辛東彬ロッテグループ会長が乗っていると推測される車が、後部座席が見えないよう幕をかけて16日午前ソウル中央地方検察庁を出た。チェ・スンシル関連疑惑を捜査中の検察は15日午後2時から辛会長を参考人身分で調査した/聯合ニュース

 朴槿恵(パク・クネ)大統領が大企業に圧力をかけ、金品や利権をむしり取る作業を陣頭指揮したという検察の中間捜査結果発表に、財界では困惑した反応が表れている。チェ・スンシル氏とアン・ジョンボム前大統領府政策首席秘書官の職権濫用の被害者として説明された大企業は、「大統領府の要請を無視するのは難しかった」としながらも、検察の追加捜査と特別検事捜査を控え、緊張ムードを解いていない。

 大企業らは、捜査で明らかになった以上、金品提供の事実は否定できないながらも、陰性の利益の提供はそれほど大きくないとしたり、対価性はないと主張している。チェ氏の知人の会社に10億6千万ウォン(約1億円)分の部品納品取引、チェ氏が実質オーナーである広告代理店プレイグラウンドに62億ウォン(約5億8千円)分の広告を集中させていたことが明らかになった現代自動車のある関係者は「もともと輸入品を使っていた部品だが、(頼まれた)新製品を使えば原価が24%削減できると見られた。また、広告料のうちプレイグラウンドに実際に入った金銭は13億ウォン(約1億2千万円)に過ぎず、残りは新聞や放送局に支払われた広告料がほとんど」と話した。

辛東彬(シン・ドンビン)会長が検察の捜査を受けたロッテグループは、70億ウォン(約6億6千万円)の「拠出」過程で「請託はなかった」と強調した。ロッテの関係者は「捜査結果の発表で、企業が義務のない仕事をすることになったという部分があるが、結局しなくてもいい仕事をしたと解釈できる。請託がなかったという点を検察が認めたものと思われる」と話した。

 朴大統領に単独で面談したクォン・オジュン会長がバドミントンチーム創設の要請を受けたが、後に代わりにフェンシングチームを創設することにしたポスコも慎重な反応を示した。ポスコ関係者は「捜査中の事案なので慎重に言及したい。これから先の調査に誠実に臨む」と話した。

 朴大統領の要求でプレイグラウンドに68億ウォン(約6億4千万円)分の広告を集中発注し、やはり朴大統領の言葉を受けたアン前首席秘書官の要求でイ・ドンス専務などを役員の座に据えたKTは、悔しさを表わした。KTの関係者は「人事請託があったが、専門家であることを検証して本部長に就かせた。広告も実際プレイグラウンドが持っていった分は10%程になる」と話した。

 起訴状に名前が上がった企業らは、一方では自分たちが職権乱用の「被害者」として描写されたことに安堵している雰囲気だ。大統領の権威と不利益の可能性のために無理にむしり取られたなら、企業側は処罰を避けられる可能性もある。しかし、反対給付を考慮して金品を提供したならば賄賂供与の容疑が適用され得る。このような面で、中間捜査の結果は企業らにとって最悪のシナリオではないということになる。しかし、サムスンなどに対する調査の結論は出ておらず、今後特別検事の捜査が進行すれば判断が変わる可能性があるということから、企業としては緊張の手綱を緩めることはできない。検察は、サムスン電子がチェ氏所有のドイツの会社に280万ユーロ(約3億2800万円)を送金した部分は起訴状に入れなかった。検察はイ・ゴンヒ会長の娘婿である第一企画のキム・ジェヨル社長、サムスングループのチャン・チュンギ未来戦略室社長、サムスン電子のパク・サンジン対外協力担当社長を召喚調査した。

 ある企業の役員は「今後、特検と国政調査も残っている。検察は企業を強圧の被害者とみなしたが、特検が今後どのようにアプローチするか分からない」と話した。

イ・ワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/771153.html 韓国語原文入力:2016-11-20 17:57
訳M.C(1708字)

関連記事