全国経済人連合会(会長ホ・チャンス)と朴槿恵(パク・クネ)大統領の「陰の実力者」および大統領府の介入疑惑が持ち上がっているミル、Kスポーツ財団を解散したてから、残りの財産を合わせた750億ウォン(約68億7千万円)規模の新しい統合財団を設立すると発表した後も、波紋が収まるどころかさらに拡大しそうだ。
市民団体「参与連帯」は、全経連が両財団の解体し統合財団の設立を進めているのに対し、証拠隠滅疑惑に加え違法性の議論も提起した。参与連帯経済金融センターのキム・ソンジン所長(弁護士)は2日、「現行の民法と財団の定款によると、財団の解散や拠出財産の処分を勝手に決めることはできず、理事会の議決と監督庁の許可を得るようになっている」とし、「全経連が財団の解散、新しい統合財団の設立、拠出財産の処分を決定するのは越権であり違法行為だ」と指摘した。
これに対して全経連は「先月30日に発表した両財団の解散と統合財団の設立案は、両財団の理事らにあらかじめ説明して同意を得たうえで、10月中に理事会を開き正式に議決する予定だ」と釈明した。全経連はミルとKスポーツ財団でそれぞれ1人ずつ理事を務めている。しかしキム・ソンジン所長は「全経連が財団理事会の開かれる前に解散を発表するのは、理事会の存在自体を無視する行為」だと指摘した。
市民団体は疑惑の当事者である全経連には正常化を推進する資格はなく、むしろ財団の仕事から手を引くのが順当だと主張する。経済改革連帯のキム・サンジョ所長(漢城大学教授)は「大統領の陰の実力者および大統領府の介入疑惑の中心にある全経連は財団の正常化を語る資格がなく、正常化の主体になることはできない」とし、「財団の正常化は、全経連が直ちに財団の仕事から手を引くことから始めるべきだ」と主張した。キム所長は正常化案について「社会的信頼のある人物たちを迎え入れ、公益財団の趣旨に合う対策を講じるべき」と話した。キム所長はまた、「事態の主役である全経連のイ・スンチョル副会長は直ちに退き、全経連も政経癒着の断絶も向けた内部革新に取り組まねばならない」とし、「全経連が革新に失敗した場合は解体するのが筋だ」と主張した。
野党の証拠隠滅疑惑の提起も続いている。共に民主党のキム・ヨンジュ最高委員は「両財団の解散はこれまでの財団の収入および支出の内訳が消え去ることを意味する」とし、「全経連の決定は権力の痕跡を消すための騙しに過ぎない」と指摘した。キム最高委員はまた、「政府がミルやKスポーツの収入および支出の内訳の透明な公開を拒否し続け、両財団の解散によって(犯罪行為を)消し去ろうとする企てを止めなければ、国民の怒りがさらに増すだろう」と警告した。同党のイ・オンジュ議員も「全経連の発表は全経連のトカゲのしっぽ切り式の証拠隠滅の企てだ」と批判した。