サムスン電子がギャラクシーノート7の交換・返品「謝恩プログラム」を拡大するなど、消費者離脱防止のために必死の努力をしている。
サムスン電子は13日、ギャラクシーノート7を11月30日までにギャラクシーS7または、ギャラクシーS7エッジ、ギャラクシーノート5に交換する消費者には、7万ウォン(約6400円)を追加支給すると明らかにした。また、すべての交換・返品(開通取消)に対して3万ウォン(約2800円)分のサムスン電子モバイルイベントモール・クーポンを提供することにした。また、スマートフォンケースや液晶フィルムなどギャラクシーノート7の専用アクセサリーについても、サムスン電子の公式売場で買わなくともサムスンサービスセンターに領収書を提示すれば全額払い戻しすると明らかにした。
謝恩プログラムの拡大は、11日に発表した交換・返品方針に対して不充分だという指摘が出たために、これに対応したものと見られる。サムスン電子が自社スマートフォンに交換する顧客にだけ3万ウォンのクーポンを提供すると明らかにして、交換に時間と費用をかけた消費者の迷惑を度外視する措置だという批判も出てきた。ギャラクシーノート7アクセサリーに対する補償が必要だという声もあがっている。
しかし、自社製品への交換者に対する通信費の支給を、リコール期限(12月31日)ではなく11月30日までとするということは「謝罪の意味とともに」リコールに速度を上げようとする意図とみられる。また、ギャラクシーノート7をサムスン製品に交換すれば、10万ウォン(約9100円)分の恩恵を受け取れるが、他社製品に交換すれば3万ウォン分の恩恵しか受けられないという差がある。
サムスン電子の米国法人が、ギャラクシーノート7を小包で返却しようとする消費者に対して、安全な「返還キット」を送っていることも話題になっている。返還キットは、防焔処理を施した二重の紙箱とゴム手袋から構成されている。サムスン電子の米国ニュースルームのホームページは、ギャラクシーノート7を箱に包装する手順を説明する動画を掲載した。この箱には「欠陥のあるリチウムイオン・バッテリーにつき、航空運送禁止」という警告文が刷り込まれている。サムスン電子の米国法人はこの日、サムスン電子製の別のスマートフォンに交換すれば、最高100ドル(約11万3千ウォン)分の恩恵を提供するなどの内容で公式リコール方針を明らかにした。
一方、一部の米国メディアは、サムスン電子の最高経営陣が直接来て謝罪と説明をしないことに対して不満を示した。ハーバード大ビジネススクールのビル・ジョージ教授はCNBC放送に対して「イ・ジェヨン副会長とサムスン電子の経営陣がアメリカに来て公開謝罪をすべきだ」と主張した。