環境部は2日、排出ガスや騒音テストの成績書を偽造したアウディ・フォルクスワーゲンの車両に追加販売禁止措置を下したが、肝心の排出ガス操作車両のリコール問題は10カ月に渡り空回りしている。環境部とフォルクスワーゲンが任意設定を認めるかどうかをめぐり繰り返し神経戦を続けている間に、基準値を超過する数万台の汚染物質を排出する車両がそのまま放置されていることになる。この機に大気環境保全法に従い自動車の交換命令を下すべきとする声が高まっている。
法務法人「バルン」のハ・ジョンソン弁護士は3日、対象車の所有者に代わり環境部へ自動車交換命令とともに払い戻し命令を下すことを求める請願書を提出した。今回の請願は6月に次いで3回目だ。
大気環境保全法第50条7項には、環境部長官が随時検査や定期検査で不合格となった自動車に対し排出ガスに関連する部品および自動車の交換を命ずることができるとされている。これを根拠に環境部は、昨年11月に排出ガス関連部品の交換命令(改善命令)をフォルクスワーゲン側に下した。が、フォルクスワーゲンが排出ガス低減装置の操作を意味する任意設定を認めずリコール計画書を提出したところ環境部がこれを却下した。フォルクスワーゲンはその後2回に渡りリコール計画書を出したが、不十分だという理由で突き返された。
問題は、環境部とフォルクスワーゲンの駆け引きで解決の兆しが見えず、「不法販売」された車両が基準値をはるかに上回る汚染物質をまき散らしながら走っているにもかかわらず、今も放置されていることだ。議論となったEA189エンジン搭載車は、米国で47万台、韓国で12万5千台販売された。
これに先立ち、米国連邦環境庁とカリフォルニア州大気資源委員会(CARB)は、2009年〜2013年型アウディ・フォルクスワーゲン車のリコール法案を承認せず、フォルクスワーゲングループに払い戻し(ペイバック)するよう命じた。ハ弁護士は「フォルクスワーゲンが国内市場で販売した車の70%は不法販売車。環境部がアウディ・フォルクスワーゲンのリコール法案を承認しなかったため、米国のように車両の交換や払い戻し命令を下すべき」と主張した。
環境部はまだ交換命令を決定するには早いという態度を示している。ただし、部品交換で大気環境基準を合わせることが難しいと判断される場合は交換命令を検討することができると明らかにした。環境部の関係者は「大気環境保全法の趣旨は、部品の交換で改善できないと認められる際に車両交換命令を下すことができるというもの。今回の件について交換される部品の技術的な検討をしてみなければ」と語った。さらに「フォルクスワーゲンのリコール計画書を却下したのは、消費者の訴訟などを考慮し任意設定を明確に認定せよということ」と付け加えた。だが、フォルクスワーゲンが「韓国では道義的責任はあるが法的責任はない」と明言している状況で再びリコールの手続きを踏ませるのは、時間ばかり浪費する結果になりかねないとも指摘されている。
韓国語原文入力:2016-08-03 21:07