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朴槿恵政権の経済失策で日本より過酷な「失われた20年」が目前に

登録:2016-03-31 09:07 修正:2016-03-31 11:22
元大統領府経済首席のキム・テドン教授 
政府評価シンポジウムで主題発表
キム・テドン成均館大名誉教授//ハンギョレ新聞社

 「朴槿恵(パククネ)政権の経済失策により、日本の失われた20年以上の苛酷な試練が私たちの目の前にある」

 野党が20代総選挙の最大のテーマに「朴槿恵政権の経済失策の審判論」を掲げる中、金大中(キムデジュン)政権で大統領府経済首席を務めたキム・テドン成均館大学名誉教授は30日、「知識協同組合・良き国」(ユ・ジョンイル理事長)と「私が作る福祉国家」(オ・ゴンホ代表)がソウルのフランチェスコ教育会館で共同主催した「朴槿恵政権評価」政策シンポジウムの主題発表を通じ、「格差問題が頂点に達し、成長は潜在成長率に及ばず、家計債務発の金融危機に無策で、弱者の労働者にさらに不利なゲームのルールを強要している」と批判した。

 キム教授は「経済民主化公約を放棄して成長至上主義政策を進めたが、3年間の年平均成長率は2.9%で李明博(イミョンバク)政権と似ており、金大中・盧武鉉(ノムヒョン)政権に及ばない」とし「これさえも家計・国家負債の急増、不動産景気浮揚などの無理な景気浮揚策に依存した」と指摘した。また「政府発足6カ月も経たないうちに『経済民主化セルフ終結宣言』をした」と指摘し、「公約履行率も30%台に過ぎない」と評価した。

 キム教授は「『ヘル(地獄)朝鮮』や『金の匙、土の匙』(生まれながらの格差)という言葉が流行するほど格差を深まった」、「所得不平等を示すジニ係数は改善されたように見えるが、高所得世帯に対する調査が行われず信じられない」と指摘した。また「大手企業の正社員に比べた非正社員の賃金が、昨年3月基準で50.6%に過ぎず、非正社員(直接雇用+間接雇用)の割合は、韓国労働社会研究所の算出基準で44.6%(839万人)、大企業の社内下請けまで合わせると50%水準(931万人)に達する」と指摘した。

 キム教授は「格差の根源には財閥支配がある」とし、財閥企業の無労組経営、違法派遣、下請け中小企業に対する強圧、系列会社間の不当インサイダー取引、無分別な中小企業業種への進出、社会全般にわたる支配力の行使を問題点に挙げた。そして「韓国経済は家計債務と不良企業という二つの危険な時限爆弾を抱えて毎日不安な航海をする船」と例えた。

 政策課題に関連してキム教授は、「社会構成員間の信頼が高ければ協力は可能だ」、「債務と格差の縮小、社会扶助システムの拡充に力を尽くさなければならない」と提案した。また「次期大統領と国会議員は経済民主化の信奉者でなければならず、経済民主化は民主政府の下でだけ可能」と語り、司法、官僚、メディアの民主化を強調した。さらに法人税や所得税最高税率の引き上げ(金持ち増税)を通じた福祉財源調達、所得主導の成長と包容的成長政策を強調した。

 キム教授は韓国の資本主義のモデルとしてドイツ式「社会的市場経済」を提案した。社会的市場経済は市場経済を尊重しつつ、政府が公正競争秩序の確立に努め、社会の落伍者に対する福祉に力を入れる体制だ。討論会はユ・ジョンイル韓国開発研究院(KDI)国際政策大学院教授が司会を務め、キム・ジンバン仁荷大教授、ソン・ウィヨン西江大学教授が討論者として参加した。

クァク・ジョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-03-30 19:26

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/737555.html 訳Y.B

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