サムスン電子をはじめ、現代自動車、SKハイニックス、LG電子、ポスコなど、韓国を代表する企業が次々と業績不振に陥っている。
主要大企業が28日に発表した2015年度の経営実績によると、売上高や営業利益が前年より減少するなど、成長鈍化と収益性の悪化が顕著だった。
サムスン電子の昨年の売上高は200兆6500億ウォン(約19兆7656億円)で、前年(206兆2060億ウォン=約20兆3129億円)に比べて2.7%減少した。年間営業利益(26兆4100億ウォン=約2兆6016億円)は5.5%増えたが、第4四半期(昨年10~12月)の営業利益(6兆1400億ウォン=約6304億円)が1.3%減るなど、収益の流れが悪くなった。サムスン電子は、「スマートフォン分野の競争が激しくなり、売上高と利益が減少した」と説明した。
現代自動車は、売上高は増加したものの、営業利益が減少した。昨年の売上高は、2014年より3%増の91兆9588億ウォン(約9兆586億円)だったが、営業利益は6兆3579億ウォン(約6263億円)で、前年より15.8%減少し、3年連続で減少傾向を示した。米国や中国などの主要市場における乗用車需要の縮小が、乗用車の割合が高い現代自動車に大きな打撃を与えたものと見られる。
LG電子は、売上高と営業利益がそれぞれ56兆5090億ウォン(約5兆5666億円)と1兆1923億ウォン(約1174億円)で、前年に比べてそれぞれ4%と35%ずつ減少した。SKハイニックスは売上高と営業利益が18兆7980億ウォン(約1兆8517億円)と5兆3360億ウォン(約5256億円)で、前年より増加した。しかし、第4四半期の業績だけを見ると、売上高4兆4160億ウォン(約4359億円)と営業利益9890億ウォン(約974億円)で、前年同期に比べそれぞれ14%と41%ずつ減少した。ポスコは連結財務諸表ベースで、昨年初めて960億ウォン(約94億5700万円)の損失を出した。売上高と営業利益は前年よりそれぞれ10.6%と25%減少した、58兆1920億ウォン(約5兆7324億円)と2兆4100億ウォン(約2374億円)だった。
問題は、韓国経済をけん引してきたこれらの企業の業績が改善される兆しが見えないという点にある。アップルが同四半期にiPhone 7480万台を販売し、前年同期に比べ0.4%増の過去最低販売増加率を記録するなど、スマートフォン市場の見通しが明るくない。自動車市場でも、米国の市場調査機関であるHISは、今年、世界の自動車販売台数が前年に比べて2.7%の増加にとどまると予想した。ク・ボンムLG電子グループ会長は27日、最高経営責任者戦略会議で「今年は本当に危機だ」と述べた。サムスン電子は同日の企業説明会で「全体的なITの需要の縮小で、前年水準の実績維持が容易ではないと予想される」との見通しを示した。
低成長の見通しが続く中、企業はコスト削減に乗り出している。サムスン電子は昨年に続いて今年もリストラを進めている。米国の市場調査機関であるガートナー(Gartner)は、今年サムスン電子の半導体投資額が1140億ドルで、前年より13.5%減少すると予想している。ポスコは今年、グループ全体で年間1兆ウォン(約9851億円)以上のコスト削減を推進する計画だ。LG電子経済研究院のイ・ジピョン研究委員は、「1990年代半ば、日本のメーカーが困難を乗り越えるために、人員縮小などのコスト削減を進め、核心技術と人材を逃した。不況期でも、縮小に走るより、技術や知識資産を効率的に活用し、経営を合理化するための努力が必要だ」と指摘した。
韓国語原文入力:2016-01-28 19:31