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[記者手帳]ラスベガス家電展示会で見えない未来のサムスン商品

登録:2016-01-11 08:51 修正:2016-01-11 12:24
CES2016のサムスン電子展示場前で同社モデルがサムスンSUHD・TVを紹介している=サムスン電子提供//ハンギョレ新聞社

 サムスン電子の未来の主力商品は何か。米国ラスベガスで開かれた世界最大の家電ショー「消費者家電展示会(CES)」に2年連続参加して、気になるどころか心配になった。

 今年、参加者の目を引いたのは自動車、ドローン(無人機)、バーチャルリアリティ、ロボットなどだった。 これら技術が、昨年まで未来を導く可能性を示したとれば、今年は商業化したモデルを大挙展示され、産業のパラダイムが変わろうとしていることを知らせた。

 サムスン電子が今回の展示会を通して見せたのは、既存の事業分野を誠実に守っている姿だった。世界市場1位のテレビで色彩再現力が優れた「クォンタムドットテレビ」をリリースし、家電分野のモノのインターネット機能が搭載された冷蔵庫「ファミリーハーブ」などが展示された。しかし新しい商品に対する苦心の結果はあまり見えない。無理に探せばドイツのBMWとともにスマートホームと車が連動されることを見せた程度だ。

 むしろ中国企業は果敢な“先導者”としての位置づけの変化を示した。中国のドローン企業「イハン」は有人飛行が可能なドローンを初めてリリースし、インターネット・エンターテインメント企業の「LEtv」が投資した「ファラデーヒューチャー」は、電気自動車コンセプトカーの「FFゼロ1」を公開した。米国の半導体チップ企業「クアルコム」や「インテル」が自社の革新的新部品を初めて供給することにした業者も、中国のLEtvや小米(シャオミ)系列だった。

 サムスン電子は昨年末、自動車電子装備市場に進出するため「電装事業チーム」を新たに設けた。展示会期間中はドローン事業をするためタスクフォースチームを設けた事実も知られた。市場が早く大きくなる状況の中で関連事業に進出する、典型的な“追撃者”の姿に近い。

 サムスン電子は今困難に直面している。昨年第4四半期(10~12月)の営業利益は6兆1000億ウォン(約6100億円)に留まり、今年1分期は5兆ウォン台に落ちるという展望まで出されている。分期当たり営業利益を10兆ウォンずつ出した好況期がそれほど遠くない過去だった点を思うと、かなり急な落ち込みだ。結局、昨年から転換配置という名の下、事業と人材の構造調整を急いでいる。

イ・ジョンフン記者//ハンギョレ新聞社

 だがサムスンの危機解決策には、いまだに新しい商品構想という核心が抜けている。生存のために危険を恐れているようでは生存はさらに難しくなる。展示会で会ったある証券会社分析家は「過去、韓国経済が難しい時、サムスンを見ればある程度の方向が計れたが、最近は違う。サムスンのリーダーシップは財務や人事の役員中心であるため売り上げ管理や人材構造調整を強調するが、未来ビジョンを提示するケースはない」と話した。経営戦略専門家のチャン・セジン・シンガポール国立大教授もハンギョレとの過去のインタビューで、サムスンの“管理型リーダーシップ”を心配していた。彼らの意見が事実でないことを願うが、今回の展示会でそれを否定するほどの端緒を見つけることはできなかった。

イ・ジョンフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-01-10 21:26

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/725556.html 訳Y.B

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