中国のバイオテクノロジー企業が、黄禹錫(ファン・ウソク)博士が主導する韓国の研究所と共同で、世界最大の動物クローン団地を設立し、「食用クローン牛」を大量生産すると発表した。専門家は、クローン動物を食べることが安全かどうかも検証されておらず、高い生産コストのため、経済性もないと指摘した。
中国国営の新華通信は23日、「中国のバイオテクノロジー会社である英科博雅遺伝子科学技術有限公司が韓国スアム生命工学研究院などと共同で、天津市開発区に2億元(360億ウォン=約38億2千万円)を投資し、世界最大の動物クローン工場団地を設立することにした」と報じた。スアム生命工学研究院は、2005年の幹細胞論文ねつ造事件を起こした黄禹錫元ソウル大獣医学部教授が主導する研究室だ。団地にはクローン実験室とクローン動物センター、遺伝子バンクなども一緒に設立される。稼働は2016年からだ。
許曉椿・博雅ライフグループ会長は工場設立を発表する記者会見で、「このプロジェクトの最大の目標は、中国の消費者に質の良いクローン牛の牛肉を大量に供給することにある」と述べた。許会長は「肉牛のクローン作りが天津動物クローン団地の主な活動になるだろう。まず第1段階として、年間10万頭のクローン牛を生産してから、それ以降は毎年100万頭を製造する第2段階に移る予定」だとし「クローン牛肉は私が味わった牛肉の中で最も味が優れている」と付け加えた。
これに対しソウル大獣医学科のウ・ヒジョン教授は「動物のクローンは、通常の動物よりも早く老けて病気にかかりやすいなど、様々な副作用に苦しんでいる。これを人が食べることについては、安全性が検証されていないため、欧州議会はクローン家畜肉類の販売を禁止した」と述べた。ウ教授は「さらに犬一匹複製するのに1億ウォン(約1060万円)はかかるなど、動物のクローン作りには膨大な費用がかかるのに、誰がその高価な牛を食べるだろうか」と付け加えた。リュ・ヨンジュン江原医科大学教授は「訓練された人材が卵子を採取して、複製された受精卵を作って再び子宮に移植するなど、動物のクローン作りはほとんど手作業なので、かなりのコストがかかる。食べたときの副作用に関わらず、経済性がないだろう」と述べた。
韓国語原文入力:2015-11-24 20:13