サムスン電子が株主価値の向上のため11兆3千億ウォン(約1兆1800億円)かけ自社株の買い入れ・消却をすると明らかにしたにもかかわらず、株価はむしろ下落している。サムスン電子株式は23日の有価証券市場で128万2千ウォン(約13万4600円)で取り引きを終えた。同社が自社株買い入れ計画を明らかにした10月29日の終値132万5千ウォンより4万3千ウォン(3.24%)落ちこんだ。同期間のコスピ指数が2034.16から2003.70に30.46ポイント(1.49%)下落した数値より急だ。
自社株買い入れおよび消却という好材料にあってもサムスン電子株価が落ちたことに対し、様々な解釈がされている。一般的に会社が自社株式を買い入れ消却すると、流通する株式が減り純利益比1株当りの価値が高まり、配当金も多くなり株価上昇効果をもたらす。サムスン電子が昨年12月1日から今年1月26日まで約2兆ウォンをつぎこみ自社株を買い入れた時、コスピが2.3%下落した一方、サムスン電子株価は7.3%上がったことがあった。このためサムスン電子の株価下落は会社の成長性に対し投資家が懐疑的になっているという見解と、外国人投資家が差益実現に出たためとする意見がきっ抗する。
匿名を希望するある証券会社の分析家は「携帯電話の売り上げがますます減る中で明確な成長動力がない状況が重なり、自社株を買い入れても株価が落ちている」と指摘した。成長が停滞した後に株主を宥めようとしたマイクロソフト(MS)の場合、今年第3四半期(7~9月)の売り上げが減ったのに142億ドルを費やし自社株を買いとり株価を16.7%上げた。米半導体企業クアルコムは今年に入り96億ドルを費やし自社株を買いとったが、韓国公正取引委員会の調査に加え実績不振で株価が33.2%も下落した。サムスン電子は中国市場でアップルはもちろん、ファーウェイやシャオミに携帯電話事業で追われるなど困難に直面している。韓国企業支配構造研究院のユン・スンヨン研究委員は「サムスン電子は外国人投資家に短期的には自社株買い入れなど肯定的な信号を送ったものの、長期的には所有と支配が異なる支配構造などに対する解決法を提示することが出来なかった影響もある」と話した。
一方、HMC投資証券のノ・グンチャン・リサーチセンター長は「外国人投資家は国内企業が自社株を買い入れれば保有株を売って利益を得る場合が多く、サムスン電子でも同じ」と説明した。外国人投資家は2000年以後、サムスン電子が自社株買い入れを明らかにした11回のうち7回も純売渡をした。今回も外国人投資家は、10月29日から今月20日までサムスン電子株3043億ウォン(約319億円)分の純売渡で外国人比重が50.41%と低くなった。昨年4月7日(50.38%)以後最も低い数値だ。
韓国語原文入力:2015-11-23 20:58