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韓国のVW被害者が米国で集団訴訟へ

一部車種が米工場で生産 
勝訴の可能性は不透明
先月30日、仁川市にある国立環境科学院の交通環境研究所で職員が、排出ガス不正が疑われているフォルクスワーゲングループのディーゼル乗用車4車種に対する環境部の認定試験の再検査を控えて予備走行の準備をしている=仁川/キム・ボンギュ記者//ハンギョレ新聞社

 排出ガス不正問題で揺れるフォルクスワーゲンの韓国内の購買者が、米国でも集団訴訟を起こす計画だと明らかにした。米国は韓国と異なり、不法行為で得た利益よりずっと多い損害賠償額を賦課するが、勝訴の可能性は不透明だ。

 法務法人バルンは13日、ソウル江南区の事務所で記者懇談会を開き「国内に輸入されるパサットなど該当する一部車種が米国のテネシー州の工場で生産されていたことが確認され、ロサンゼルス連邦地裁に集団訴訟を起こす計画」とし「パサット車両の購買者51人を含め、近い将来、米国の裁判所に訴状を出すだろう」と明らかにした。

 これと共に国内でも3次訴訟を起こした。訴訟を代理するハ・ジョンソン弁護士は「3次訴訟の原告は車両購入者202人とリース使用者24人の合計226人。1、2次まで合わせば合計266人」と語った。バルンは先月30日にフォルクスワーゲンのティグアンとアウディQ5車両の所有者2人を代理し、フォルクスワーゲングループ、アウディ・フォルクスワーゲンコリア、国内ディーラー社などを相手に「売買契約取り消しおよび売買代金返還請求」の訴訟を初めて起こし、6日に2次訴訟を起こした。

 今回、米国で提起される訴訟も、韓国で起こされた訴訟と内容は似ている。車両購入者が車両を返却するのだから売買代金を返還して欲しいというものだ。ただ米国では韓国にはない「懲罰的損害賠償」を請求することができる。これは企業が不法行為を通じて利益を得た場合、それよりずっと多い金額を損害賠償額や課徴金で賦課できる制度だ。米国の集団訴訟は同じ被害を受けた一部の人が訴訟に勝てば、訴訟に参加しなかった被害者までその効力が及ぶ。

 だが、勝訴の可能性など、今後の展望は不透明だ。公正取り引きを専門に扱うある弁護士は「米国で生産された車両に対する損害賠償請求は認められる可能性が高い。だが、その他の国で生産された車両に対し米国で訴訟を行うことに対しては管轄権争いが起きえる」とした。ユン・ソンボン弁護士(法律事務所ヒューマン)は「具体的な事実関係を確かめてみるべきだが、フォルクスワーゲン側が排出ガス不正を認めている状況では争ってみる必要は十分にあると考える」として「ただし企業の立場では、企業倫理が崩れれば手のほどこしようもなく被害が大きくなるので和解する可能性も大きい」とした。

 一方、アウディ・フォルクスワーゲンコリアは排気ガス不正の疑いを受けている「ユーロ5」の国内在庫466台をすべて回収し倉庫に保管中で、今後は国内で販売しない計画だと明らかにしたと環境部が13日伝えた。

ソ・ヨンジ、キム・ジョンス記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-10-14 01:23

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/712699.html?_fr=mt2 訳Y.B

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