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VW不正でヨーロッパでも“反ディーゼル”加速

登録:2015-09-25 08:06 修正:2015-10-01 06:53
 クリーン主張しておき環境有害性隠蔽
 韓国でも規制強化の動き
米国でフォルクスワーゲンのディーゼル車に対する大規模なリコール事態が起きる直前の17日(現地時間)、ドイツのフランクフルトモーターショー展示場前でドイツ環境団体「ドイツウムヴェルトヒルペ」がディーゼル車排気ガスの有害性を知らせている=パク・ヒョンジョン記者//ハンギョレ新聞社

 ドイツのフォルクスワーゲングループが認証試験の時だけディーゼル車の排出ガス量を減らす不正ソフトを使っていた事実が発覚して危機にある中、今回の事態で最近ヨーロッパ一の部でも吹き出し始めた“反ディーゼル”の雰囲気が広がるものと見られる。世界最大のディーゼル車市場であるヨーロッパで市場占有率下落傾向が加速化し、ディーゼルエンジン生産に必要な原料企業なども打撃を受けるなど、自動車産業全般にかなりの影響がでるものと分析される。24日には、車両排出ガス低減不正装置がヨーロッパ市場で販売された車両にも装着されたことが確認された。

■ ヨーロッパで吹き出した反ディーゼルの嵐

 ヨーロッパで販売される乗用車のうちディーゼル車の比重は、2011年を頂点に少しずつ後退している。24日、ヨーロッパ自動車工業協会(ACEA)の資料によると、2000年にヨーロッパ連合(EU)に登録された乗用車のうちディーゼル車の比重は32.8%だったが、2011年には56.1%まで上がった。だが2012年に55.6%、2013年に53.8%、2014年に53.6%と減り続けている。特にフランスの場合、2008年に販売された乗用車のうちディーゼル車の比重は77.3%に達したが、昨年は63.9%まで減少した。フランス政府はディーゼル車による大気汚染を減らすため軽油に税金を賦課し、老朽化したディーゼル車をガソリン・ディーゼルの新車、電気車など、より親環境的な車に買い替える場合に支援金を出すなど、ディーゼル車抑制策を施行している。

ヨーロッパ連合(EU)新規登録乗用車でディーゼル車の比重//ハンギョレ新聞社

高燃費・高出力に二酸化炭素排出は少ないが
窒素酸化物・微粒子状物質など増える一方
ヨーロッパでは2011年を頂点に販売下り坂
フランスではすでに抑制策が進行中
韓国では逆に新規登録がガソリン車追い越す
ヨーロッパ販売車両でも不正装置確認
「排出ガス不正はVWだけなのか」
ヨーロッパ議会次元での調査要求が広がる

 ヨーロッパでディーゼルが注目され始めたのは1990年代だ。地球温暖化問題が国際的な話題になり、ガソリン車両に比べ二酸化炭素(CO2)排出が少ないディーゼル車が普及し始めた。ディーゼルはガソリンに比べ力があって燃費もいいが、窒素酸化物(NOX)と微粒子状物質(PM)排出が多い。騒音や振動も大きいほうなので主にトラックやバスなど大型車に使われてきた。フォルクスワーゲングループを含む自動車メーカーが有害排気ガス排出量を大きく減らす技術を確保し、高燃費を維持しながら“親環境”(クリーン)ディーゼルエンジンを搭載したスポーツ実用車(RV)や乗用車が大きく増えることになる。

 しかし窒素酸化物と微粒子状物質の有害性が指摘されだし、ディーゼル車の排出ガス問題が注目されるようになった。しかもユーロ5(ヨーロッパ連合が定めた軽油車排出ガス規制)はもちろん、これを強化したユーロ6基準を充足させる車種も、実際の道路を走行する時に認証基準値を大きく上回る排出ガスを出しているという研究結果が相次いで出された。英紙ガーディアンは22日(現地時間)、「ヨーロッパは1990年代に二酸化炭素削減に乗り出し、ガソリンよりディーゼル車両を広めたが、その結果深刻な大気汚染を体験している」と評した。ヨーロッパ連合では実際の道路を走る状況でディーゼル乗用車排出ガスを測定して管理する規制を2017年から実施する計画であり、韓国でもこれに合わせて同じ規制を導入する予定だ。

韓国の新規登録乗用車のうちディーゼル車の比重//ハンギョレ新聞社

■ フォルクスワーゲングループだけの問題か

 フォルクスワーゲングループの“トリック”が明らかになる

きっかけを作った非営利団体の国際親環境輸送委員会(ICCT)は、一部ディーゼル車が実験室と実際の道路で出す排出ガス量の差がかなり大きいことに注目した。ガーディアンによると、同団体は「他の自動車メーカーも(フォルクスワーゲングループと同じ行動をしているのか)問いたださねばならない」と主張した。これに先立ちフランスと英国政府は、ヨーロッパ議会次元でディーゼル車排出ガス調査を求めたと主要外信が報じた。フォルクスワーゲングループがあるドイツに住む自動車コラムニストのイワン氏は「緑の党のような野党は、ヨーロッパ連合次元の調査だけでなく自動車企業等に対する管理・監督責任があるメルケル政権に対する調査も進めなければならない状況にある」と伝えた。このような雰囲気により、実際の走行状況で現れるディーゼル車に対する排出ガス規制基準が厳格になると英紙フィナンシャルタイムズは展望した。

パク・ヒョンジョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-09-24 22:21

https://www.hani.co.kr/arti/economy/car/710436.html 訳Y.B

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