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サムスン物産合併を支持した最大株主の国民年金、当初は合併不利と判断

登録:2015-09-14 10:01 修正:2015-09-14 10:03
投資委員会議事録から明らかに
第一毛織とサムスン物産が合併を議決した中、ソウル瑞草区のサムスン物産社旗が風にはためく=イ・ジョングン記者//ハンギョレ新聞社

「1:0.35でなく1:0.46が適正」と評価
合併シナジー効果は認める
通常は担当部署の1次決定後に委員会
異例の投資委による直接決定

 第一毛織とサムスン物産の合併の際、株価により合併比率を1:0.35に定めたが、サムスン物産の大株主だった国民年金基金の運用戦略室は1:0.46を適正比率と考えていたことが確認された。また、国民年金運用戦略室は、保有株式議決権の賛否行使と関し、通常であれば、まず立場を決めてから投資委員会に報告していた。だが、サムスン物産合併の件については異例的にこの過程を省略したことが分かった。

 13日、新政治民主連合のキム・ギジュン議員室が確認した国民年金議事録によると、運用戦略室所属のチェ・ジュンギュ・リサーチチーム長は「私たちはバリュエーション(合併比率算定)をする時は主に『企業価値/税金・利子支給前利益(EV/EBITDA)マルチプル』を適用して営業価値を求めた」とした上で、「両社の適正価値に基づき合併比率を求めると1:0.46になり、合併比率においてサムスン物産が多少不利と見ることができる」と述べた。ただし運用戦略室リサーチチームは、両社が定めた合併比率の1:0.35を適用すると1:0.46に比べてサムスン物産が2兆ウォン(約2000億円)相当の損害を被るが、合併で2兆ウォン以上のシナジー効果が可能だと判断した。だが、合併比率問題でSKとSKC&Cの合併を反対した前例を考慮すると問題が残る。

 また、国民年金はサムスン物産関連議決権を行使する際に過去とは異なる方法を選んだ。イ・ユンピョ運用戦略室長は「今までは担当部署(運用戦略室)で賛成、反対、専門委員会への付議などを一次的に決め、投資委員会に付議した」としつつ「案件の重要性と責任性を考慮し(中略)投資委員会議決権行使指針第6条による行使方法である賛成、反対、中立または、棄権の意志決定を委員に尋ねる」と明らかにした。運用戦略室の立場報告なしで直ちに投資委員会に案件を送っていたのだ。イ室長はまた「(投資委員会の)表決結果が賛成か反対かを判断しにくい場合は専門委員会に付議することができる」と付け加えたが、外部人事などで構成された専門委員会への回付は結局なされなかった。これに対し国民年金基金の議決権専門委員会は「過去の先例や趣旨などに照らし、専門委員会に判断要請をしなかったことに悔いが残る」と明らかにし、制度改善を要請した。

 投資委員会にはホン・ワンソン基金運用本部長、イ・ユンピョ運用戦略室長、キム・ウンファン運用支援室長、ハン・ジョンス株式運用室長、アン・テイル債権運用室長、ユ・サンヒョン代替投資室長、イ・ギョンジク海外証券室長、ヤン・ヨンシク海外代替室長、ジョ・インシク リスク管理センター長、イ・スチョル投資戦略チーム長、シン・スンヨプ リスク管理チーム長、ミン・ジョンキ・パッシブチーム長などが参加した。イ・ユンピョ運用戦略室長をはじめとして海外証券室長、リスク管理センター長が表決で棄権し、イ・スチョル投資戦略チーム長は中立を表示した。だが、ホン・ワンソン本部長など8人が賛成し可決された。

 これに対しキム・ギジュン議員は「投資委員会で合併比率などに対しかなりの異見があったのに、専門委員会に渡して意見を尋ねることなく、手続き上の正当性に深刻な問題がある」と指摘した。

 一方、国民年金は米国系ヘッジファンドのエリオット・マネジメントが訴訟を起こし得るという理由から、サムスン物産関連の議決権行使議事録を国会に閲覧だけを許容するだけで、提出もせずにいる。

イ・ジョンフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-09-14 01:11

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/708730.html 訳Y.B

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