韓国政府が最大貿易国である中国との自由貿易協定(FTA)に正式署名した。 昨年11月に実質妥結が宣言された韓中FTAは、国会批准同意などの発効手続きだけを残すだけとなった。 政府が出した経済的効果検証の適正性と食品安全性問題などを巡り論議が予想される。
ユン・サンジク産業通商資源部長官と高虎城・中国商務部部長は1日、ソウルのグランドハイアットホテルでFTA署名式を行い協定文に署名した。
協定が発効すれば、商品部門で中国は全体品目数の91%にあたる7428品目について、韓国は92%にあたる1万1272品目について20年以内に関税を撤廃することになる。 輸入額基準で中国と韓国のそれぞれ85%、91%を占める規模だ。 サービス・投資部門では公演仲介事業に韓国企業が49%の持分を保有することが許されるなど、一部開放成果があった。 また、開城(ケソン)工業団地生産品目など韓国域外加工地域で生産される310の品目に対して原産地の地位が認められ、域外加工地域委員会を設置し韓国と中国が今後、北朝鮮内の域外加工地域を追加できるよう合意した。
政府は発効直後に無関税で取引される品目の交易額が、輸出730億ドル、輸入418億ドルで韓国と米国の交易額(1063億ドル)を超えることになると明らかにした。 政府は韓中FTA経済影響評価の結果、発効後10年間に韓国の実質国内総生産(GDP)は0.96%追加で増え、消費者の厚生は146億ドル改善され、新たに5万3805の仕事が創出される結果を得たと発表した。 だが、関税節減効果をはじめ韓中FTAの経済的効果と関連しては国会批准同意案処理過程で多くの論議が予想される。
また、中国産食品に対する安全性強化方案がなく韓国進入が容易になるなどの問題点を指摘する声も多い。 民主社会のための弁護士会・国際通商委員会のノ・ジュヒ弁護士は、「『48時間以内商品搬出規定』により中国産食品が一層容易に入って来るが、中国現地の食品工場全般に対する検疫権は韓国が確保できず、韓国は中国の投資銀行に対して事実上無制限に市場を開放したのに対して、中国は中国企業との合弁形態で49%限度の持分だけを所有できるようにして非対称的開放がなされるなど、政府が明らかにしていない問題点も綿密に検討しなければならない」と話した。
中国が韓中FTA交渉の妥結以後に投資障壁を低くして輸入生活消費財関税を大幅に引き下げたため、韓国が協定で勝ち取った成果が色あせ、実質的には“失敗した交渉”であったという指摘も出ている。 中国は今年3月、「外部投資産業指導マニュアル」を改正し、製造業や専門サービス業で外国人に対する投資制限を相当部分撤廃・緩和し、4月には化粧品・衣類など輸入生活消費財関税を引き下げた。 キム・チェナム議員(正義党)は「外部投資産業指導マニュアルの改正で中国はリハビリ治療サービス、看病サービスなどを開放したが、韓中FTAはこれを反映できておらず、4月の韓中FTAより高い水準の関税引き下げ措置が発表されたため政府が広報した期待効果が宙に消えた」として、再協議が必要だと指摘した。
これに対してウ・テヒ産業部通商次官補は「化粧品分野の場合、高級化粧品は突き抜けられなかったが、基礎化粧品は関税撤廃を早期にできるよう推進するなど、品目を分析すれば十分な活用の余地がある」と話した。