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利下げ・融資規制緩和・住宅取り引き増の3拍子で…韓国の家計借金100兆円超す

登録:2015-05-28 08:19 修正:2015-05-28 10:55
 韓銀、3月末で1099兆3千億ウォンと集計
 4月の銀行家計融資は8兆ウォン超
 景気回復に冷や水浴びせるか懸念
 政府、融資抑制カードには慎重
分期別の家計信用残額推移 //ハンギョレ新聞社

 国内の「家計負債」が先月末、1100兆ウォン(約130億円、1円=9ウォン)を超したと見られる。2013年末に1000兆ウォンを突破した後、1年4カ月で100兆ウォン以上も家計借金が増えた。低金利基調と融資規制緩和、住宅取り引き増加の三つの要因が重なり、昨年下半期以降、家計借金が急速に増えたことに伴う結果だ。政府は家計負債の急激な増加に警戒感を示しながらも、景気回復動向に及ぼす否定的影響を憂慮し、家計融資抑制策を用意することには慎重な態度を見せている。

 27日、韓国銀行が発表した「2015年1分期家計信用」によると、今年3月末基準の家計信用(家計負債)は昨年12月末(1087兆7千億ウォン)に比べ11兆6千億ウォン(1.1%)増えた1099兆3千億ウォンと集計された。家計信用は家計借金水準を示す代表的な統計で、全金融圏の家計融資と販売信用(返済以前のカード決済貸金と割賦金額)を加えて算出する。家計信用は分期別資料であるため4月末の統計は公式に集計されていないが、1100兆ウォンを超したのは確実視される。この日、金融監督院が発表した4月末の国内銀行の家計融資残額が1カ月前に比べ8兆8千億ウォンも増えたためだ。これほどの月間増加幅は、金融監督院が関連統計の作成を始めた2006年以来の最大値となる。

 今年第1四半期(1月~3月)の家計信用の細部内容を見ると、家計融資が1040兆4千億ウォンで前年同期比12兆8千億ウォン増えた。これは2002年の関連統計集計が始まって以来、1分期基準として最大の増加幅だ。販売信用は59兆ウォンで1兆2千億ウォン減った。

 金融会社別の家計融資増加規模は、銀行が7兆8千億ウォン、貯蓄銀行・セマウル金庫・相互金融・信協などノンバンク預金取り扱い機関が1兆5千億ウォン、保険会社・証券会社・貸付業者を含むその他金融機関が3兆5千億ウォンと集計された。このうち特に、銀行住宅担保融資が9兆7千億ウォン増え、家計融資の増加傾向を導いた。銀行の住宅担保融資は昨年第1四半期は2兆ウォン増で終わったが、第2四半期7兆4千億ウォン、第3四半期11兆9千億ウォン、第4四半期15兆4千億ウォンと増加幅が急に大きくなった。反面、ノンバンク預金取り扱い機関の住宅担保融資は4千億ウォン減少した。その代わりノンバンク預金取り扱い機関は、その他の融資が1兆9千億ウォン増えた。

 家計信用が銀行の住宅担保融資を中心に大きく増えたのは、韓銀の3度に及ぶ基準金利引き下げによる史上最低レベルの貸出金利に加え、政府の担保認定比率(LTV=担保掛目率)・総負債償還比率(DTI=年収比率)規制緩和、住宅買い入れ需要増加が重なった結果と解説される。ハナ金融経営研究所チャン・ポヒョン首席エコノミストは「基準金利引き下げ、住宅融資規制緩和、住宅景気扶養政策により今まで抑制された融資需要が生き返り、家計負債総量がかなり増えた」と指摘し、「政府は景気浮揚のため積極的な融資規制策を用意することはなさそうだ」と語る。

 政府は家計負債が急激に増えるのを憂慮しながら、政策対応方向をめぐり苦心している。現在の家計負債急増は住宅価格急騰を伴わず、過去とは様相が異なるのを認識しており、融資規制カードを使えば不動産をはじめとする全般的な実物景気回復傾向に冷水を浴びせることになると見ているためだ。政府は3月、企画財政部と金融委員会、金融監督院、国土交通部、韓国銀行などの局長級以上幹部が参加する家計負債管理協議体を設け数回会議をもったが、まだ具体的な対策を用意できずにいる。ソン・ビョンド金融委金融政策局長は「家計負債の診断と対策準備のための多様な議論がされている」としながら「7月末で終了するDTI、LTV規制の緩和措置を延長するかどうかも議論されているが、まだ決定されていない」と説明した。

キム・スホン、ホン・ソクチェ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-05-27 21:07

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/693123.html 訳Y.B

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