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物価上昇が韓国庶民の暮らし圧迫、野菜や家賃の値上がりなど家計を直撃

登録:2015-05-05 22:21 修正:2015-05-06 13:45
低所得層の出費が多い野菜類
1年で10.5%値上がり…家賃・たばこも負担
高所得層が多く利用する交通費は9.5%下落…
旅行費も下がり“物価両極化”
ソウルの不動産店に住宅価格が貼り出されている=キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

 最近1年間、交通費や旅行費など所得水準が高い階層が主に購入する品目を中心に物価が下がったことが確認された。 その一方で、野菜類・家賃など低所得層の支出比重が大きい品目は値上がりし、所得が低いほど相対的に体感物価負担が高いことが分かった。

 5日、ハンギョレが統計庁の「消費者物価動向」と「家計動向」資料を交差分析したところ、所得が多い階層であるほど物価負担感は小さいことが分かった。 高所得階層が主に購入する物品を中心に物価が下がったり上昇幅が少なくなったためだ。 反対に、低所得階層が主に購入する物品の価格は上がった。

 先ず、野菜類の価格は先月基準で1年前に比べ10.5%上がった。たばこの値段を含む「その他工業製品」(12.0%)の次に大きい上昇幅だ。特に、白菜(35.3%)、ネギ(30.4%)、ジャガイモ(24.0%)、ホウレンソウ(20.8%)は2桁台の値上がりだった。 野菜類の価格は昨年11月以後、毎月上昇幅が拡大している。 キム・ボギョン統計庁物価動向課長は「野菜類は昨年上半期に過度に価格が下がったために、その基底効果により今年の上昇幅が大きくなっている」と語る。

品目別物価上昇率 //ハンギョレ新聞社

 野菜類は所得水準が低いほど支出比重が大きくなる品目だ。 昨年4分期基準で月間所得水準が100万ウォン未満(1円=9ウォン)、100~200万ウォン未満世帯は、野菜類の消費支出比重(野菜類および野菜加工品支出/消費支出全体)はそれぞれ3.8%、2.8%に達するが、所得水準が500~600万ウォンと600万ウォン以上の世帯の野菜類支出比重は1.3%、1.0%にとどまる。低所得階層が野菜類の価格に特に敏感になる理由だ。

 今年に入って一箱あたり平均2000ウォンずつ上がったたばこの価格負担感も低所得階層が主に感じている。 月間所得200万ウォン未満世帯のたばこ支出比重は1.6%だが、月間所得600万ウォンを超える世帯の支出比重は0.8%に過ぎない。 たばこの値上げにともなう禁煙状況が反映される今年1分期(1~3月)の家計動向資料が出る今月下旬には所得階層別たばこ負担はさらに鮮明にあらわれる予定だ。

 今年に入ってから2%余り上がっている家賃も低所得層にとっては体感物価を高める要因だ。低所得層は住居を借りているケースが多いためだ。 実際、月間所得300万ウォン未満の世帯は消費支出に占める“実住居費”(家賃および管理費など)の比重は4%を超えるが、所得水準が300~600万ウォン未満世帯の支出比重は2%にとどまり、600万ウォン以上の世帯では1.4%になっている。

 その一方で、高所得層が主に購入する品目の物価は下がっている。代表的な例が交通費だ。 ガソリン代などが含まれる交通費は所得が高いほど支出比重が高くなる品目だ。たとえば所得200万ウォン未満の世帯は交通費支出比重が9.9%であるが、所得600万ウォン以上の世帯の支出比重は14.5%になる。 所得水準が低いほどバスや地下鉄などの公共交通機関を利用し、所得が高いほどマイカーを主に利用するためだと解説される。 交通費は先月基準で1年前より9.5%も下がった。

 大幅に下がった旅行費も高所得層の物価負担を減らしている。国内団体旅行費は1年前より7.3%、海外団体旅行費は4.3%下がった。 これを含めた「娯楽および文化」品目の物価は1年前より0.8%下落した。 所得階層別の娯楽および文化の支出比重を見れば、100万ウォン未満世帯では3.6%であるが、600万ウォン以上世帯では6.0%で約二倍に達する。 団体旅行費(国内・海外)のみの支出比重はそれぞれ0.5%と1.5%だ。

 「所得階層別物価指数」の研究を行ってきたチャン・インソン国会予算政策処経済アナリストは「長期の時系列で見た時は、所得階層別に物価負担は大きな差がない」とした上で、「ただし最近数年については低迷する所得増加率のせいで低所得層の体感物価と実際の物価の間の乖離が広がっていると見られる」と指摘した。

世宗/キム・ギョンナク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/consumer/689897.html 韓国語原文入力:2015-05-05 15:30
訳J.S(1918字)

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