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AIIBで持分めぐる攻防…韓国は5%プラスアルファか

登録:2015-03-27 20:01 修正:2015-03-28 09:24
6月の協定文策定が峠

 持分増やせば議決権比重が高まる
 「韓国5~6%・中国30%中盤という観測」
 対北朝鮮投資が成功すれば南北関係に好材料

アジアインフラ投資銀行(AIIB)の概要 //ハンギョレ新聞社

27日、韓国政府が中国の主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加することを決め、創立に参加する国家間で持分確保などの実益を巡り本格的な綱引きが始まる見込みだ。 中国やインドなど、創立に参加するため既に了解覚書(MOU)を締結した国家らが作ったテーブルに韓国も合流し、来る6月に発表予定の協定文関連交渉に入ることになる。 この交渉テーブルでは持分問題、理事会構成、総裁選任などの核心事案が議論される。 今後2カ月間に進行される交渉によりこの銀行に占める韓国の地位が変わるものと見られる。 アジアインフラ投資銀行は米国や日本が主導する世界銀行(WB)、アジア開発銀行(ADB)に対抗するため中国が中心となって作った銀行だ。

 韓国政府が強調しているのは“国益”だ。 経済的利益を得ながら、その一方で参加意思を明らかにしなかった米国との外交面でも擦れ違うことのないよう気を配っている。

 経済的側面ではいつにもまして良い機会だ。 企画財政部によればアジア地域のインフラ投資需要は、2020年まで毎年7300億ドル(約806兆ウォン)に達する。 銀行はアジア国家の道路、港湾、発電所、住宅、通信、上下水道など統合的なインフラ建設に資金を支援する予定だ。 韓国政府の発言権が大きくなれば、国内企業らも相当の受注機会を得ることになる。 経済団体が歓迎する理由だ。

 満足な経済的実益を得るためには未だ越えなければならない山が多い。 最も重要なのは持分の確保だ。 他の国際機構の事例で見るように、持分をどの程度確保するかにより議決権の比重が変わるためだ。 日本が最大の持分(15.7%)を持つアジア開発銀行の場合、日本が常に総裁を受け持ってきたし、インフラ工事の受注も大挙獲得するなど影響力が大きいと評価されている。 このような状況を意識してか、チェ・ヒナム企画財政部国際経済管理官はこの日、米州開発銀行(IDB)年次総会が開かれている釜山のベクスコで記者ブリーフィングを開いて「経済的地位に相応しく最大限持分を確保する」と話した。

 今までに加入したり加入宣言をした国家は計36カ国。 持分をどのように配分するかはまだ交渉中だ。 企画財政部関係者は「国内総生産(GDP)の規模が基本になるだろうが、他の条件も考慮されるだろう」と話した。 例えば世界銀行の場合、持分を決める時に経済力(GDP)が75%、財源寄与度20%、開発寄与度5%を見ている。 これと関連して韓国が5~6%内外の持分を確保するという観測が出ている。 独走が予想される中国の持分も論議の焦点だ。 参加国家が増え、50%の確保は難しいという意見が大半を占める。 韓国外交部幹部は中国の持分に関して「(単純計算すれば)およそ30%台中盤になりそうだ」と明らかにした。

 2カ月間の議論過程で韓国が難しい状況に置かれる恐れがあるという指摘もある。 チ・マンス韓国金融研究院研究委員は「韓国のジレンマは持分確保のため『アジア持分』を強調すればヨーロッパとの関係がおかしくなり、ヨーロッパと共に支配構造(理事会構成、総裁選任など)の透明性を強調すれば中国との関係が曖昧になりえる」と話した。

 今回の決定は韓国と北朝鮮、韓米の関係にも影響を与えるものと見られる。 北朝鮮は世界銀行とアジア開発銀行の加盟国ではないために直接加入は難しいが、投資は受けることができる。 後れた北朝鮮インフラ投資に韓国政府が積極的に取り組めば南北関係に肯定的信号になるものと見られる。

 米国は依然難しい対象だ。 英国などヨーロッパ国家の参加により韓国政府はアジアインフラ投資銀行への参加負担を減らしたが、韓米関係が特殊なだけに多様な憂慮が出てくる。 新政治民主連合は「歓迎する」としつつも、高高度防衛ミサイル(THAAD)と対等交換をすることになるのではないかという敏感な反応を示した。 チュ・スンヨン最高委員はこの日「中国が主導する銀行への加入を電撃的に決めたことが、米国が要求するTHAAD配備を既定事実化しようとするものではないか、それで米国と中国に一つずつ与え均衡を合わせようとしているのでないか憂慮する」と話した。

世宗/キム・ソヨン、キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/684356.html 韓国語原文入力:2015/03/27 19:18
訳J.S(1975字)

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