建設・土木から電力・通信まで網羅
中国は「シルクロード」構築に主に使う見込み
持分により事業参加の機会が与えられる
業界、より多くの持分確保すべき
中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)創立メンバー国の加入申請締め切りが今月末で近づくなか、同銀行はインフラ建設だけでなく電力や通信など様々な部門にかけ韓国企業に莫大なビジネスチャンスを提供するものとみられる。米国と中国の間の政治外交的な考慮だけでなく、韓国企業の経済的実益を中心に据え、参加および出資持分確保を積極的に検討しなければならないとする声が業界周辺で高まっている。
業界および国策・民間経済研究機関の話を総合すると、AIIBは統合的な地域開発を指向する。したがって建設・土木インフラだけでなく電力、上下水道、通信など、生活に必要なすべてのインフラ建設資金供給に使われると見込まれる。同銀行の財源は習近平(シー・ジンピン)中国主席が標榜する「一帯一路」(陸上および海上をつなぐアジアシルクロードのインフラ投資)戦略に主に使われる予定だ。中国国際金融有限公司によると中国中央政府は一帯一路に今後10年間で1兆6千億ドルを投資するものと予測される。
イム・ホヨル対外経済政策研究院国際協力政策室長は「AIIB財源の使途は道路建設や交通インフラ構築だけでなく、住宅、電気、通信施設まで包括しており、韓国の関連企業も相当な関心を持つほかはない」とした上で、「国内の建設景気が悪い状況にあるなか、建設強国の韓国企業の装備と施設をもって一帯一路のような収益性の高い事業に進出する良い機会」と話す。
最近になり日本が同銀行への出資国参加を積極的に再検討する方向に態度を変えており、米国の同盟国である英国、ニュージーランドが参加することにしたのも、自国企業の莫大な経済的利益を考慮したためとされる。イム室長は「現在のアジア開発銀行(ADB)の納入資本金が合計1620億ドルであることを考えれば、AIIBが目標にする出資資本金1千億ドルは途方もない規模」であるとして韓国企業に大きな経済的機会になると語った。
これに伴い建設業界は様々なチャンネルを通じ、国土海洋部をはじめとする関連当局に加入参加とより多くの持分率の確保を要請している。「AIIBは韓国企業のアジアインフラ供給事業に大きな機会を与える」。海外建設協会のチョン・チャング金融支援処長はこう語った上で、「国家別参加持分により自国企業の工事受注機会が左右されるのが現実だ。国家の財政負担を押し切っても出資持分を10%ほどまで高めたい」と強調した。
今後、韓国の企業が得るビジネスチャンスがAIIB出資持分と関係なくはないのは、アジア開発銀行の経験からしても明らかだ。サムスン経済研究所の研究員は「アジア開発銀行で最大の持分(15.7%・2013年末)を有す日本企業が、この銀行が主導する地域インフラ工事入札で有利な立場になる恩恵を享受してきた」と指摘した。韓国のアジア開発銀行出資金比率は全体の5%で、同銀行の全インフラ事業のうち韓国企業が受注した比率も平均5%前後(最近5年間の平均・海外建設協会)だ。
匿名を希望する中国の経済研究者は「AIIBをめぐり中国と米国の国際金融秩序の覇権争いという政治外交的見解にだけこだわってはいけない。韓国企業の莫大な経済的利害が政策判断に積極的に考慮されるべきだ」と話した。
韓国語原文入力:2015.03.25 21:13