ハリス、加盟店から300メートル離れた所に直営店が開店した日
週末売上が10万ウォン(約9000円)以上も落ち込む…直営店は盛業
営業地域「合意した距離」のみ明示…本社「法的問題ない」
17日午後、京畿道城南(ソンナム)市の繁華街にあるコーヒー専門チェーンのハリスコーヒー加盟店主である40代のカン氏は、アルバイトがレジを守っている店を抜け出た。目的地は300メートルほど離れている別のハリスコーヒー店だった。 3分ほど歩いて店の前に着いたが、カン氏は「腹が立って」店内にも入れずに引き返した。
この日はこの別のハリスの店がオープンする日だった。そこはカン氏の店とは異なりハリス本社が直接運
営する直営店だ。カン氏の店付近にはスターバックス、トム・アンド・トムズなどのコーヒー専門店が並んでいるが、同じ看板のハリスは同じ町内には一店もなかった。 周辺に同じフランチャイズ店がない“営業地域”が何平方キロメートルずつ保障されてきていた。 2005年に初めてここにハリスを開店した後、加盟店主は数回変わり、カン氏は2013年6月に店の譲受契約書に印鑑を押した。 50.29平方メートル(15.2坪)で、他のハリス店舗よりは小さかったが「売上が着実に維持されている」という証拠書類を確認した。
カン氏が直営店の話を聞いたのは昨年10月だという。カン氏は「本社担当者が近くに直営店ができるので、(カン氏の店舗の)売上が30％ほど減ると通知してきたので、抗議したが法的には問題がないという答が帰ってきた」と話した。
実際、問題はない。カン氏が契約した2013年には、本社が加盟店主に最小500メートルの営業地域を保護し、新規出店を制限するとした公正取引委員会の模範規準があったが、商業地域などは例外が認められた。 カン氏が本社と結んだ契約書には100メートルと規定されていた。 密集度が高いコンビニの出店制限模範規準(250メートル)より短い距離だったが、カン氏は「同じ区内にハリスが多くもないので、あえて私の店のすぐそばに店を出すとは想像できなかったし、100メートルは形式的記載で本社側から特別な説明もなかった」と話した。
だが、300メートル離れた所に直営店ができて、カン氏の店の売上減少は避け難くなった。 直営店は新しい建物、新しい設備で、100席を超す大規模店舗として開店した一方、カン氏の店は30席程度で座席も窮屈な方だ。 実際に直営店が開店した17日午後4時頃、カン氏の店には週末にもかかわらず、客が１テーブル(2人)しかいなかったのに対し、直営店は混み合っていた。 カン氏は直営店開店直前の土・日の売上が一日平均46万7000ウォン（約5万円）だったのに、直営店が開店した土曜日とその翌日の日曜日には一日平均35万7000ウォン（約4万円）に減ったと話した。
加盟店主の権利保護はこれまで公正取引委員会の主要監視対象だった。 昨年11月「コーヒー・グルナル」が加盟希望者に予想売上額を誇張提示したとして公取委が処分を下したことに対して最高裁は正当だと判決した。 本社と加盟店主の間の“甲乙(優劣)”問題に火が点いた後、勧告事項に過ぎなかった模範規準が廃止され、昨年本社が営業地域を設定する義務が法に明示された。 EDIYAなど主要コーヒー専門店はそれなりに具体的に“何メートル”と営業地域を設定したが、ハリスは「合意した範囲」とだけ定めている。
直営店の開店についてハリス関係者は「該当地域の場合、地下鉄駅を基準として商圏が左右に分かれている。加盟店と直営店の営業権が左右に二分化されているので加盟店には大きな打撃はないと見る」と話した。
教育関連の仕事をして退職金など2億ウォン（約2200万円）を用意してコーヒー店を開店したカン氏は「二度と加盟店主にはなりたくない」と話した。 彼は「店舗を引き受けた後、景気の下落を売上で体感しているが、さらに減れば維持できない。直営店がすでに開店した状態では店を売ることも難しい。退職後にコーヒー店を開けたと知人たちは羨んだが、最近数カ月間に本社との間にあったことを考えれば他人には勧められない」と話した。
訳J.S(1969字)
