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フランチャイズ企業の横暴に反旗を翻し「チキン協同組合」誕生

登録:2014-08-28 00:12 修正:2014-08-28 16:31
フランチャイズ加盟店主だったイ・ミンホ氏
本社が材料費・マーケティング費など押しつけ
徹夜で働いても人件費も払えず
27日午後、京畿道果川市莫渓洞で行われたチキン唐揚げ機器新製品説明会に参加した「クプスチキン」のイ・ミンホ理事長(左)とイ・ミンチョル理事。 果川/キム・テヒョン記者//ハンギョレ新聞社

弟など知人を集めて協同組合設立
「チキンの量など偽らず正直さで勝負」

 大型チキン店フランチャイズに対抗する“チキン協同組合”が誕生した。“チメク(チキンとビールの韓国語メクチュをつなげた造語)の反乱”に立ち上がった彼らはチキン店の運営と鶏肉流通を熟知するイ・ミンホ(52)、イ・ミンチョル(51)兄弟だ。

 ソウル江西区(カンソグ)空港洞(コンハンドン)で約10年にわたりMチキン店を営んできた兄のミンホ氏は、本社の横暴にこれ以上黙っていられなかったと話した。見境なしに材料費を値上げするかと思えば、広告などのマーケティング費用まで店主に負担させたという。突然新メニューを出したと言って材料を押し付けることもあった。1万5000ウォン(1ウォンは約0.1円)のチキンを一箱売っても、種々の費用を差し引けば手元に残るのは僅か1500ウォン程度だったという。

徹夜で働いても人件費さえ賄えない日々が続いた。このチキンフランチャイズ業者は、供給原価を一羽当り4800ウォンから5460ウォンに値上げした。その過程で公正取引委員会に虚偽資料を提出したという疑惑に火が点き調査が進行中だ。

 ミンホ氏は鶏を揚げる代わりに人々を訪ね歩いた。弟のミンチョル氏ら人を集めて先月1日、「乙が生きる新たな希望協同組合」を設立した。「参与連帯」民生希望本部などからの支援も受けた。そして独自のチキンブランドも作った。元請け「甲」の横暴に苦しんだ下請け「乙」たちが立ち上がったという意味で、「乙の希望(Ul Hope)」と「協同組合(Coop)」の英単語を組み合わせた「UHCチキン」(別名“コープスチキン”)だ。ミンチョル氏は27日に「零細自営業者の生存権を保障する意味を商号に込めた」と説明した。

 ミンホ氏は価格の値下げを深刻に検討したが、結局フライドチキン一羽が1万5000ウォンである‘業界平均’に従うことにした。価格を下げて大型フランチャイズ店舗と競争することは難しいと考えたためだ。 価格を下げることにより他のチキン店主が被る被害も考慮した。代わりにイ氏は「顧客をだまさない、正直なチキンを販売する」ことにした。

 一般にチキン店では1キロを意味する「10号鶏」を使う。だが2羽注文すれば、これより200グラムほど軽い「8号鶏」2羽を揚げる慣行もあると話した。ミンホ氏は「多く注文すれば小さな鶏を使う姑息な手はつかわない。正直に正しく鶏を供給すれば、顧客満足度は高まる」と話した。

 コープスチキンは今ちょうど広報の製作を終えて組合員の募集に入った。コープスチキン1号店はミンホ氏が営んできたチキン店の看板を掛け替えた後に営業に入る。彼は自営業者の血と汗にまみれた‘チキン産業の生態系’を塗り変えるという大きな計画もたてた。 「コープスチキン組合が多くの店舗を確保すれば、加盟店主を奪われる事態を阻むためにも、フランチャイズ本社は露骨に店主から絞り取れなくなるだろう」と話した。

「韓国協同社会経済連帯会議」のムン・ポギョン執行委員長は、「ひとまず組合員をどれくらい集められるかがカギだ。 その過程で見えない妨害もあるだろう。だが、一定の規模を実現できれば大型フランチャイズ業界もこれに伴い変化せざるをえないだろう」と話した。

ソン・ホギュン記者 uknow@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/653105.html 韓国語原文入力:2014/08/27 22:27
訳J.S(1670字)

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