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現代自動車が約9兆円の大規模投資、国内批判かわす狙いも

登録:2015-01-07 09:03 修正:2015-01-07 15:41

エコカー開発だけで約1兆2000億円
研究人材も7345人増やすことに
蔚山・華城工場の設備拡充など
国内投資の比重が76%に達する
韓電土地買収問題を考慮したとの観測
他企業は投資拡大に圧迫されることも

現代自動車グループ2015~2018年の投資計画。//ハンギョレ新聞社

 現代自動車グループが2018年まで81兆ウォン(1ウォンは約0.11円)規模の投資をする。昨年の世界市場で販売数800万台を突破したのに続き、持続的な設備投資で成長の勢いを継続させ、将来の成長動力になるエコカー開発のために研究・開発(R&D)も積極的に進めることになる。

 現代車グループは6日、今後4年間に工場新増設など施設部門に49兆1000億ウォン、エコカーおよびスマート自動車などの研究開発に31兆6000億ウォンなど合計80兆7000億ウォンを投資する計画を明らかにした。年平均投資金額は約20兆1750億ウォン。現代車グループは昨年過去最高の14兆9000億ウォンを投資した。2018年までに買収した韓国電力の土地にグローバルビジネスセンターを建設するのにかかる約11兆ウォンを差し引いても、年平均投資金額は昨年より2兆ウォン以上増える。

自動車部門2015~2018の投資計画。//ハンギョレ新聞社

 現代車グループはエコカー開発に投資を集中する見込みだ。4年間にプラグイン・ハイブリッドカー、電気自動車モデル、水素燃料電池自動車などエコカー開発に11兆3000億ウォンを投資する。2020年までに車両平均燃費を25%上げる「燃費向上ロードマップ」を昨年発表した後、「技術革新を通じて現在7車種あるエコカーを22車種に増やして各国の環境規制に対応し、今年の220万台から2020年に640万台規模に成長すると予想される世界のエコカー市場で2位圏に進入する」との方針を明らかにしたことに続く。

 エコカー開発はもちろんモーター、バッテリー、パワートレーンなど主要な部品関連基礎固有技術を確保するため研究開発人材7345人も拡充する計画だ。これらを通じて未来型スマート自動車開発にも積極的に乗り出し完成車の品質競争力を高めて未来成長動力も備える方針だ。

 設備投資も強化する。 昨年に800万台販売時代を開いた後も持続的な成長の勢いを継続させる戦略だ。中国に新たに工場を建設するなど海外戦略車種生産能力を育て、蔚山(ウルサン)や華城(ファソン)など国内の工場ではエンジンと変速機などの生産設備も拡充する計画だ。自動車とシナジー効果を出せるように鉄鋼や物流などグループ内関連部門投資も進める予定だ。

 今回の計画は国内投資比重が高いのが特徴だ。全投資額の76%である61兆2000億ウォンが国内に投入される。韓電の土地開発費にしたところで50兆ウォンほどだ。「国内より海外投資に積極的で国内製造業の空洞化が憂慮される」という批判を払拭する狙いがある。これら投資に伴う雇用規模は研究開発人材を含み少なくとも1万人ほどになると会社側は予想している。設備投資を考慮すると採用人員はもっと増える見込みだ。

 今回の投資計画の発表をめぐっては、韓電の土地の高価入札による批判をかわし、自社株買い入れまでしなければならないほど下落した株価を防御するためとの分析もある。現代車グループは鑑定価の3倍を超える10兆5500億ウォンをかけ韓電の土地入札に加わり「研究開発のための資金を不動産に使った」と批判された。それ以来、入札過程での不透明な意志決定構造が問題視され、為替レートによる営業利益減少など悪材も重なり、昨年7月に24万ウォン台だった現代車株価は6日現在16万ウォン台にまで落ち込んだ。大規模な投資計画の発表には、韓電の土地入札後に続いた否定的な市場の視線を変えようとする期待も作用したものと思われる。

 現代車グループの動きが財界を圧迫する作用もあるという観測も出されている。現代車グループが国内投資額を大きく増やすことで、他企業も経済活性化と雇用創出などの名分で投資しなければならない雰囲気が醸成されるためだ。現代車関係者は「大規模投資により生産能力、主要部門の技術力などすべての面で世界の業界を先導できる基盤を構築する」とし、「投資のほとんどを国内に集中して経済活性化にも寄与するだろう」と話した。

パク・スンホン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.01.06 21:08

https://www.hani.co.kr/arti/economy/car/672404.html 訳Y.B

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