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借金苦16年ぶりに舞い込んだ‘希望の手紙’「貴下が負った債務は破棄されます」

登録:2014-05-13 17:52 修正:2014-05-14 07:52
‘希望の暮らし’ 1次借金 棒引き 166件
債権全体の37%が30代,20代の時に作った借金で
不良債務者として生きる
193万ウォンで12年間を苦労した30代も
不良債権消却-借金ゼロで生き返る 不良債権消却パフォーマンス

元金100万~300万ウォン、最多
平均負債額 399万ウォン ‘ほとんどが小額’

 「貴下の債務850万ウォンを私どもが買いとりました。 今後、債権の取り立ては全面禁止されます。 私どもはこの債権にいかなる請求権も行使しないでしょう。 直ちに破棄します。」

 京畿道(キョンギド)に暮らすキム・ソンミン(仮名・72)氏は、去る8日一通の手紙を受け取った。 外国為替危機直後の1998年から延滞が始まったカード負債850万ウォンが‘消えた’という予想外の通知であった。 16年間、借金を返せないからと利子が積もり続け、キム氏の債務は3050万ウォンに増えた。 その間に行われた財産差し押さえ、競売で、それ以外には借金も、財産も残っていない状態だった。 十数年ぶりに金融債務不履行者(旧 信用不良者)身分はもちろん、債権取り立てからも抜け出すことになったキム氏は手紙を送ったところに電話をかけた。

 去る9日‘ありがたい’という電話を受けたところは、債務者の‘金融福祉’を助ける市民団体 '希望の暮らし' だった。 希望の暮らしはソウルのある貸付業者から無作為で117人の債務者の長期債権166件を買ってきた。 合計4億6764万ウォン分の債権を買ってくるのに、市民募金額などで1300万ウォンがかかった。 平均元金の2.7%の買い入れ額で117人の借金に対する債権者になったのだ。 通常、貸付業者や信用情報会社から買ってくる値(3%台)と同等の水準だった。 企業等は安値で買ってきた長期不良債権を持って‘全部返せ’または‘半分だけ返せば帳消しにしてやる’という言い方で催促して利益を残すが、希望の暮らしはそうではなかった。 去る7日、キム氏など債務者に「貴下に対する債権は消却される」という内容の手紙を送った。

 これは市場で安値で売買されている長期延滞不良債権を市民が買いとってなくす‘ローリング ジュビリー’(Rolling Jubilee)運動の一環だ。 アメリカ‘ウォールストリート占領デモ’の主導者たちが、2012年からアメリカで行っている市民による借金棒引き運動で、韓国では今回初めて試みられた。 ‘ジュビリー’は特定記念周期を称する言葉で、一定期間ごとに罪や借金を帳消しにするキリスト教的伝統に由来した。

 一次分として買い入れ・消却した166件の債権を分析してみると意外な結果が出た。 30代で作られた債権が全体の37%を占めた。 166件中134件(81%)は債務者が最後に利子を払った日が2003年以前だった。 すなわちほとんどが延滞して10年を越えた債権だ。 現在30代である債務者は20代で発生した借金のために、ずっと信用不良者として生きてきたという計算になる。 債務者の中には20才だった2002年からカード借金延滞を始めた30代初盤の人もいた。 20代の開始から先月までの12年間、彼を信用不良者として生きさせた借金は193万ウォン(約19万円)だった。

 20代の困難は他の統計にもあらわれている。 韓国銀行が先月出した金融安定報告書資料を見れば、2008年1分期平均5.14等級(1~10等級中・数字が大きいほど低信用)だった20代の信用等級は、昨年第2四半期5.62等級で悪化していた。 全年齢帯中で最も等級が悪かった。

 今回の166件の元金金額のうち最も多い比重(36%)は100万ウォン以上で300万ウォン未満が占めた。 以後100万ウォン未満(34%),300万ウォン以上500万ウォン未満(16%)の順だった。 平均負債額は399万ウォンだった。 希望の暮らし キム・ジヒ事務局長は「債務者は債権取り立てを避けて登録居住地以外に住むケースが多く、私たちが送った‘債権消却’通知文を受け取れない場合が多数だと予想される」と話した。

 希望の暮らしはより多くの債権を買い取るために‘クラウド ファンディング’を始めた。 来月6日までの一か月間に3000万ウォンを集めて、早ければ7月に2次買い入れを行うことが目標だ。

ソン・ギョンファ記者 freehwa@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/636641.html 韓国語原文入力:2014/05/12 21:38
訳J.S(1930字)

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