米国が主導する‘環太平洋経済パートナー協定’(Trans-Pacific Partnership・TPP)に参加すれば、予想損失が少なくない反面、経済的効果は微小だという憂慮を込めた国策研究機関の研究結果が出た。 TPPは米国と日本、カナダ、オーストラリアなど12ヶ国が参加する多者間自由貿易協定で、すべての商品の‘例外なき関税撤廃’等、攻撃的市場開放を推進するということが特徴だ。
9日パク・ジュソン議員が公開した対外経済政策研究院(KIEP)の‘環太平洋経済パートナー協定の経済的妥当性効果分析’研究報告書を見れば、 "(TPP)事前参加条件協議過程で中断された、あるいは交渉中であるFTA当事国の一方的市場開放要求を受け入れに伴う経済的損失と社会・政治的葛藤費用が予想される" という憂慮が含まれている。 この報告書は産業通商資源部が去る4月に依頼した委託研究結果である。
報告書は "オーストラリアとニュージーランド、カナダ、日本、メキシコなどがこの間、2者間FTA交渉過程で貫徹させられなかった要求を吐き出すものと予想される」としてこのように明らかにした。 例えばオーストラリアなどは韓-米FTA水準の畜産物開放を要求しうるということだ。 日本も自国農産物の市場開放に対しては例外を認めてくれと言いながらも、反面では韓国産自動車および機械、中小部品市場に対しては対日開放の拡大を要求すると報告書は予想した。 報告書は "事実上、日本との2者FTAを行う結果を招き、自動車および部品素材産業、機械産業などに被害が予想される」と指摘した。
報告書はまた "TPPは実質的に中国を排除する意味がある" として "中国と事前に十分な交感がないTPP参加推進は、中国との関係を疎遠にさせ韓-中FTA交渉に否定的影響を及ぼす可能性もある" という憂慮を付け加えた。
反面TPP交渉参加にともなう経済的効果は大きくないと分析された。 我が国がTPP交渉に参加する場合に、短期(5年以内)的に0.12%、長期(10年以内)的には2.6%の追加的成長(実質GDP基準)を期待できると報告書は明らかにした。 交渉が妥結した後に加入する場合には、それぞれ0.05%(短期)と2.58%(長期)の追加成長が期待され、参加しない場合には貿易転換効果でそれぞれ0.04%と0.11%の成長が減少すると見通した。 すでにFTAが締結されている国家間で両国間の関税水準が非常に低くなっているために追加的関税縮小にともなう効果は制限的になるということだ。
ファン・ボヨン記者 whynot@hani.co.kr