青年創業者たちが苦労の末に切り拓いた外国製品の国内販売権を、イーランドグループが事実上横取りした情況があらわれた。 大企業が強大な資金力を利用して犯した‘甲の横暴’という批判が出ている。
大企業に通って退社した青年創業者イ・某(33)氏とパク・某(31)氏は昨年12月、米国の足が楽な機能性靴業者である‘オッツィ’(OTZ)から5年間の国内独占販売権を得た。 イ氏らが2011年に作った海外ブランド輸入・流通会社が勝ち取った初めての大型契約だった。 イ氏らが会社を作った後、2011年12月からオッツィ製品を少しずつ輸入し国内オンライン ショッピングモールやオフライン売場を足で巡って‘地を這うように’販路を切り拓いた努力が認められたのだ。
今年からはゲロリアデパートなど有名売場にも納品を始めた。 昨年約1億ウォンだった売上が今年に入って月に1億ウォン程に急増するなど事業が急成長した。 イ氏は「今年4月からイーランドの靴集中売場である‘フォルダ’にも商品を供給した。 夏を控えて物量を増やし8億ウォン以上の売上を上げる計画も今年の初めに立てた」と話した。
青年創業神話はそこまでだった。 オッツィは去る5月初めに突然独占販売契約の解約を通知してきた。 不当な解約通知にイ氏は慌てた。 イ氏が大量に靴の注文をする代わりに価格競争力のために販売価格を下げようという提案をオッツィ側が肯定的に検討していたが、突然に問題視したためだ。 実際に靴を廉価で販売したわけでもなく議論になる余地もなかった。 契約解約がイーランドグループがオッツィを買収する直前におきたことをイ氏は後になって知った。 イ氏は「当時オッツィ側から‘会社(オッツィ本社)が買収される。 買収しようとしている会社(イーランド)が現在、韓国の販売権者との契約解約を望んでいる’と話した」と明らかにした。
彼は事業がイーランド側に渡るのをじっと見ているしかなかった。 イ氏が会った弁護士は「釈然としない理由で一方的に契約を解約したオッツィに訴訟を起こせば勝てる確率が高い」と言ったが、国際訴訟にかかる費用と時間が問題であった。 オッツィより更に巨大なイーランドと直接法廷攻防を行うことについても同様だった。
去る5月20日イーランドグループは子会社である‘イーランドUSAホールディングス’がオッツィの持分90%を約100億ウォンで買収した。 イーランドグループは買収の二日後に報道資料を出して「2016年までにオッツィ ブランドで世界市場で4000万ドル(約445億6500万ウォン)の売上を上げる」と明らかにし、言論が基礎ってこのニュースを伝えた。 イ氏にまつわる事情は報道されなかった。
イ氏は「イーランドがオッツィの靴に競争力があると判断し、会社をまるごと買収し、その条件として国内販売権の解約まで要求した」と主張した。 イ氏は国内販売権契約が有効だという内容証明をイーランド側に送り、釈明を要求したがイーランドグループは答えなかったと明らかにした。 イ氏は「在庫を抱え込んでおり、倉庫賃貸料だけ払っている。 訴訟費用さえ負担になる小さな会社を(イーランドが)枯死させようとしている」と話した。
イーランドグループは5日<ハンギョレ>に 「正常な買収合併(M&A)過程だった。 買収前にオッツィがイ氏との契約を解約したのであり、(イーランドは)このような契約関係をそのまま買収した」とし「外国ブランドの買収は国外市場を狙ったものであり、無理に国内販売権者との葛藤を生じさせる理由がない。 この間外国ブランドを買収すれば国内販売権者と外国業者の契約関係はそのままに認めてきた」と明らかにした。 オッツィを買収したのは事実だが、イ氏の国内販売権契約解約には介入していないという趣旨だ。 しかし、イ氏が公開したイ氏の会社職員とオッツィの対話録音を見れば、オッツィは去る5月「来週受け入れることにした(イーランドからの)投資は、貴社の同意があろうがなかろうが貴社との契約解約を前提とする」と明らかにした。
イーランドの行為が流通業界で起きている典型的な‘甲の横暴’だという指摘が出ている。 ある大企業系列の衣類会社関係者は 「以前はこのような場合(販路開拓企業の)在庫を引き取ったり販売権開拓に対する補償をしていたが、最近ではそのような慣行もよく守られていない」として「個別企業間の複雑な契約内容は法的に判断されなければならないが、道徳的には非難されるだろう」と話した。 パク・スンホン記者 abcd@hani.co.kr