キム・サンジョ教授、社長団会議で講演
"支配構造 意志決定 理解し難い…
イ・ジェヨン時代 構成員と疎通しなければ"
経済民主化を巡り舌戦があったが
‘企業変化の必要性’概して共感
"イ会長を告発したので講義できないと思ったが…
三星(サムスン)の若い職員たちは変化しつつある"
"三星(サムスン)が驚くべき経営成果にもかかわらず、明と暗が50対50の存在として残っている理由は何か。 三星がビジネスに関連した意志決定についてはあれほど賢いにもかかわらず、支配構造に関連した意志決定ではなぜ理解し難く見えるのか。 イ・ジェヨン副会長が開かれた空間に出てきて、多様な構成員と対話する姿を見せなければならない。 その中で経営能力が検証されるだろう。" 我が社会で三星を批判する人が常時言う言葉かもしれない。 だが、17日に三星の瑞草(ソチョ)社屋39階会議室で出たこの言葉は特別だった。 話した人は国内の代表的財閥改革主義者として知られるキム・サンジョ経済改革連帯所長(漢城(ハンソン)大教授)であったし、それを聴いた人々は三星の社長団だった。
毎週水曜日に開かれる三星の水曜社長団会の講師としてキム・サンジョ教授が出て、三星のアキレス腱である支配構造に関して「三星が成果に対する自負心が行き過ぎて慢心に陥ったようだ。 三星が韓国社会の外にある例外的な存在だと考えているようだ。 変化はイ・ゴンヒ会長時代には不可能に見える。 イ・ジェヨン時代になれば変化しなければならない」と直撃弾を飛ばした。 キム教授は‘経済民主化と三星(サムスン)’という主題で講演をしたが、最も関心を集めたのは‘三星の未来’というサブタイトルがついた講演最後の部分だった。 キム教授は三星、そしてイ・ジェヨン副会長が‘開かれた社会’に出てきて、変化しなければならないという点を強調した。
三星の社長団の反応はどうだっただろうか。 キム教授は「激しい討論がなされる雰囲気ではなかった。 全般的に真剣に聴いていたよ」と話した。 中間にキム教授が「経済民主化は私が考えたことの半分にしかならない」と言うと、チョン・ギヨン 三星経済研究所長が 「企業の立場からはものすごく強い」と反論したりもしたが、社長らは 「世の中が変わったし企業も変わらなければならない必要性には共感する」という反応が大部分だった。
一部では三星がキム・サンジョ教授を講演者として呼んだ事実自体が三星が変わろうとしている端緒と見るべきではないかという意見も出ている。 キム教授は2004年2月、三星電子株主総会場で「不法大統領選挙資金を出したイ・ゴンヒ会長らは懲戒を受けなければならない」と主張し、警護員に引っ張り出されもしたし、何度もイ・ゴンヒ会長を検察に告発したりもした人物だ。 イ・インヨン 三星未来戦略室社長も「社会の色々な声を聴く必要性には皆が共感していて、キム・サンジョ所長を招請することになった」と話した。 社長団会議を通じてみた三星の変化は、昨年にも一部端緒が見えた。 昨年キム・ホギ延世(ヨンセ)大教授、チャン・ハジュン ケンブリッジ大教授など、私たちの社会の代表的な進歩人士と呼ばれる人々を招請して講演を聴いたことがあるためだ。
キム教授は二ヵ月ほど前に三星側から講演者として来てほしいという要請を受け応諾した。 だが、その後に三星物産がカザフスタン銅開発業者であるカジャンムスの持分を安値売却し会社に1400億ウォンの損害を及ぼしたとし、背任の疑いでイ・ゴンヒ会長を検察に告発して、三星物産を含む6社の建設会社に対して4大河川談合の疑いで株主代表訴訟を行うと発表しもした。
キム教授は「講演ができなくなることもありうると考えた。 だが、意外にも話は続いた」と話した。 三星が変わっているということかという質問には「世の中が変わったし、三星の若い職員たちが変わってきている。 三星の変化は避けられない状況だ。 ただしその方向がどこになるかは三星が選択することだ」と答えた。 もちろん「三星が変わっているというメッセージを外部に与えるための形式的な講演に利用されることもありうる」という憂慮もあった。 だが「三星の社長たちの前でそのような話をよどみなくする人が他に誰かいるか」と思い講演を受諾したと語った。
三星は果たして変われるだろうか。 三星関係者たちは「講演で聴いたとおり実践に移すつもりか」と記者が質問すると即答を避けた。
イ・ヒョンソプ記者 sublee@hani.co.kr , 写真キム・テヒョン記者