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南陽乳業‘悪口波紋’ 拡散

登録:2013-05-07 00:58 修正:2013-05-07 09:41
検察、本社押収捜索、株価急落、ネチズンは不買運動
‘ラーメン常務’‘パン会長’に続き‘甲の横暴’に対する公憤拡散
南陽乳業謝罪文

南陽乳業の‘悪口波紋’が手のほどこしようもなく広がっている。

 南陽乳業は4日代表理事が直接乗り出し今回の事態に対して公式謝罪をしたが、ネチズンたちの間では南陽乳業製品に対する不買運動の動きが広がっていて、この会社の株価も5日急落した。 また、検察は南陽乳業本社事務室などを押収捜索した。

 ソウル中央地検刑事6部(部長 クァク・キュテク)は代理店主に自社物品を不法に売り付けた疑いを受けている南陽乳業の本社事務室などを2日押収捜索したと6日明らかにした。 検察関係者は「代理店事業主の告発により南陽乳業のソウル南大門路(ナムデムンロ)の本社と支店2ヶ所など計3ヶ所を押収捜索した。 まだ捜査の初期段階であり経営陣などは召還していない」と話した。

検察は本社と支店などで電算資料と内部報告書などを確保し分析している。

 これに先立って代理店事業主たちの構成した‘南陽乳業代理店被害者協議会’は 「南陽乳業が電算データを操作して製品を売り付けた」と主張し、ホン・ウォンシク南陽乳業会長らを先月検察に告訴した。 被害者協議会はまた南陽乳業が名節の度に‘餅代’名目で代理店から現金を取って行き、各種名目でリベートを要求したという疑いも提起したことがある。

検察は南陽乳業本社などから押収した資料を分析した後、南陽乳業関係者を呼んで調査する方針だ。

 南陽乳業の株価も‘悪口波紋’の影響で5日急落傾向を見せている。 南陽乳業株は6日株式市場が開場するやいなや急落傾向で出発し前場で一時4%も下落し、2%下がったまま取引を締め切った。 反面、競争会社である毎日乳業の株価はこの日2.14%上がった。

 これに先立ってキム・ウン南陽乳業代表理事は4日、自社ホームページに‘公式謝罪文’を通じて「通話録音収録と関連して失望された方々に頭を下げて謝罪申し上げる」と明らかにした。 3日ユーチューブなどに公開された南陽乳業営業社員と代理店主の通話録音収録に対する謝罪だ。

 3年前の通話内容を録音したこの録音収録には、南陽乳業の営業社員がある代理店主に暴言と共に物量を押し付けた内容が含まれている。 30代であることが明らかになった営業社員は、自分より年齢がはるかに上の店主キム・某(53)氏に「物が入らないなどと言わず、あなたが責任を負え」として各種の罵詈雑言を浴びせた。 南陽乳業側は該当営業社員がこの問題で辞職願いを提出し「事態の厳重さを勘案して直ちに受理した」と明らかにした。

 代理店主たちはしばしばこうしたことが起きたと口をそろえた。 2012年2月から南陽乳業の代理店をして、赤字の累積で昨年11月に廃業したチョン・スンフン(41)氏は「南陽乳業が代理店に無理に物を押し付けながら暴言を発するケースが1度や2度ではなかった。 録音収録に出てきた代理店主はそのことがあって1年後に代理店を止めた。 押し付けと暴言が繰り返された結果、パニック障害にまで罹ったという」と話した。

 いわゆる‘甲’の‘乙’に対する横暴を象徴する事件が相次いで起きながら、社会的公憤が高まっている。 ‘甲・乙’は契約関係で使う用語を借りた表現であり、よく社会的優位にある側を‘甲’、低い地位にある側を'乙’と称する。

 社会関係網サービス(SNS)等インターネットではネチズンたちの批判が続き、南陽乳業に対する不買運動の兆しも見える。 一部のコンビニエンスストア店主は売場内に‘南陽乳業の乳製品は受け入れない’と書いた後、写真を撮ってツイッターに上げ不買運動に参加した。 あるツイッター利用者(@alvi****)は「南陽乳業営業所長の悪口録音ファイル、聞いてみた。 アー腹が立って涙が出そうだ。 不買運動するしかないよ。 ファイル名を見ないで聞いたら悪徳サラ金業者だと思うよ」と書いた。

 本社が代理店より優位な‘甲’の地位を乱用して社会的問題を起こしたのは今回だけだけではない。 去る4月、京畿道(キョンギド)龍仁市(ヨンインシ)でコンビニエンスストアを営んでいたキム・某(43)氏が遺体で発見されるなど、今年だけでコンビニ店主3人が相次いで自ら命を絶った。 そのために本社が既存コンビニエンスストアの近隣に無作為に店舗を許可し、契約解約時に過度な違約金を払わせるなど横暴を働かせたために悲劇が続いているという批判が沸き立った。

'悪口録音ファイル'で不当販売の疑いを受けている南陽乳業が、検察の押収捜索を受けた中で6日午前ソウル中区(チュング)南大門路(ナムデムンロ)の南陽乳業本社前で、南陽乳業代理店被害者協議会の会員たちが南陽製品を積み上げている。 【ソウル=ニューシス】

 ‘顧客’の地位を利用しての労働者に対する横暴も相次いでいる。 先月中旬にはポスコエナジーのある役員が大韓航空の女性乗務員に加えた暴行と暴言に対する航空会社の内部資料が流布された、いわゆる‘ラーメン常務’事件が広く知られ企業代表が出て謝罪したし、先月24日には製パン会社‘プライムベーカリー’のカン・ステ会長があるホテルの玄関で駐車に関する揉め事の末に職員を殴った事実が知らされ‘パン会長’と呼ばれ世論の袋叩きに遭った。

 専門家たちは韓国社会の過度な勝者一人占め文化が前近代的な階層意識と相まってこういう‘甲’の横暴現象をかもしていると指摘した。

 アン・ジンゴル参与連帯協同事務局長は「金や権力のある‘甲’が‘俺がどんな競争を勝ち抜いてこの席まで来たのに’という考えを持って弱者に何をしてもかまわないと感じている。 合理的で水平的で常識的な思考ができないということだ」と指摘した。

 チェ・ハンソプ国民大教授(社会学)は「平凡な '乙’たちが集まっているSNSなどでは、少数特権階層といえる‘甲’の横暴に対する批判が自然に起きる。 このように世論などの外部刺激を通じて私たちの社会の慢性的な階層意識が変わらなければならない」と話した。 また「‘甲’は本来自身の問題を認識することができない可能性が高いので、批判世論だけでなく司法当局の一罰百戒など強制的な統制も同時に成されなければならない」と付け加えた。

キム・ジョンピル、チョン・ファンボン、クォン・オソン記者 bonge@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/586090.html 韓国語原文入力:2013/05/06 15:34
訳J.S(2758字)

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