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「10秒間片足立ち」やってみると…「10年後の死亡リスク」が見える

登録:2022-07-02 09:35 修正:2022-07-02 10:23
10年後に死亡する危険性に2倍の差 
簡単な健康測定指標として有用
年を取るにつれて片足で立つ能力が落ちる=ブリティッシュスポーツ医学ジャーナル提供//ハンギョレ新聞社

 「片足立ち」は昔から身体のバランス能力を評価する検査方法としてよく使われてきたものの一つだ。

 ところが、片足で立つことができる能力は身体のバランス能力だけでなく、全般的な体力と足の力、感覚情報処理能力にかかっている。心臓病やがんなどの疾患がある人は、足の力が弱く、片足で立つ能力が劣る。これは片足でどれだけ長く立っていられるかを通じて、健康状態を総合的に類推することも可能だということを示唆する。

 実際に「片足立ち」が早期死亡のリスクを判別する指標の役割を果たせるという、長期間の追跡調査による研究結果が発表された。

 ブラジルの研究陣が主導する国際共同研究陣は、2009~2020年に実施した健康および運動能力テストに参加した51~75歳のブラジルの中高年1702人の測定値と、その後の彼らの健康状態を追跡した結果、2つの間の相関関係を発見したと、国際学術誌「ブリティッシュスポーツ医学ジャーナル」(British Journal of Sports Medicine)に発表した。

 参加者が受けたテストは、片足を曲げてもう片方のふくらはぎの後ろ側につける「片足立ち」の姿勢(上の写真)を10秒間保つことだった。片足で立っている間、両腕は脇腹に自然につけ、視線は正面を向く。参加者はどちらの足かに関わらず計3回試した。

5年ごとに失敗の割合が2倍ずつ増加

 研究陣がテストに参加した人たちを7年間追跡調査した結果、片足で10秒間立っていられない人は、7年以内に死亡する可能性が17.5%だった。これは10秒以上立っていられた人の死亡危険率の4.6%よりはるかに高いものだ。

 また、参加者は年を取るにつれてテストを通過できない割合が高くなった。50代前半は失敗の割合が5%だったが、50代後半は8%、60代前半は18%、60代後半は37%へと次第に上がった。5年ごとにおよそ2倍ずつ増えた。70代は54%で半分以上となった。これは20歳未満より11倍高い割合だ。

 研究陣は「年齢と体重、性別および他の健康リスク指標の変数を総合的に考慮した結果、『片足立ち』テストを通過できなかった人の10年後の死亡リスクはほぼ2倍(84%)に達した」と明らかにした。

 相関関係は確認されたが、因果関係がどこにつながっているのかは明確に究明されていない。例えば高齢者の場合、転んでけがをするケースが多いが、実験参加者の死に転倒によるけががどれほど寄与したかは把握できなかった。ただし、テストを通過できなかった人は一般的に健康状態がより悪かった。高血圧、肥満、冠動脈疾患を患っているケースが多く、糖尿病の割合は3倍も高かった。

 これらにより研究陣は「中年および老年層の健康診断の際、『片足立ち』能力を項目に含める必要がある」と提案した。

クァク・ノピル先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/science/science_general/1049274.html韓国語原文入力:2022-07-01 23:50
訳C.M

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