世界の主要大都市のなかで最も健康的な生活ができる所として、オランダのアムステルダムが選ばれた。眼科疾患研究とレンズのオンライン販売を手がける英国の「レンズコア」が、大都市44カ所を調査し最近発表した「健康生活都市指数2021」で、アムステルダムが1位となった。ソウルは18位にとどまった。
今回の調査は、健康な生活に密接な影響を与える幸福度、汚染度、肥満率、労働時間、日照時間など10項目を評価した。ミネラルウォーターの価格を調査し生活物価を比べ、運動の利便性を比べるために野外活動施設の数とフィットネスジムの利用料金を評価項目に加えた。
アムステルダムは、相対的に高い幸福度と短い労働時間、優れた生活利便性などで1位となった。ストックホルム(スウェーデン)、コペンハーゲン(デンマーク)、ヘルシンキ(フィンランド)などの北欧の主要都市が4~6位に順に選ばれた。これらの北欧の都市の国民幸福度は7.35~7.80で最も高い。年間労働時間も1380~1540時間と最低水準であり、汚染度も同様に13.08~30.90と極めて低い。
他の大陸都市では、オーストラリアのシドニーが、長い日照時間と多くの野外活動施設で高い評価を受け2位。3位のオーストリアのウィーンは低い汚染度、8位のドイツのベルリンは短い労働時間が順位を引き上げた。アジアでは、日本の福岡が首都の東京(29位)を追い抜き6位に上がり目を引いた。圧倒的に低い肥満率と高い期待寿命、安いミネラルウォーターの価格が評価に寄与した。
ソウルは、肥満率・期待寿命・幸福度では福岡と同じだが、長い労働時間のためにはるかに低い評価を受けた。北京(12位)にも劣った。期待寿命で北欧と大差がない韓国・日本・中国の大都市は、幸福度も極めて低いが、汚染度がさらにひどいことが分かった。国際的に広く知られた欧州のフランスのパリ(35位)と英国のロンドン(38位)は下位圏だった。特に米国の首都ワシントン(41位)とニューヨーク(42位)は、ロシアのモスクワ(43位)、メキシコのメキシコシティ(44位)とともに最下位圏を形成した。米国の大都市は他の都市よりも肥満率が極めて高かった。