今月4日(立春)に開幕し、「立春大吉」の夢を胸に始まった2022北京冬季五輪が、熾烈だった17日間の道のりを終えた。新型コロナウイルス感染症の拡散と国際社会の対立で冷え込んだ世界を溶かしたのは、氷上と雪原の上で流した選手たちの熱い涙だった。
韓国ショートトラックのエース、チェ・ミンジョン(24、城南市庁)の涙と笑顔は、韓国選手団が経験した「喜怒哀楽」をそのまま表している。チェ・ミンジョンは11日、女子1000メートル決勝で銀メダルを獲得した後、氷上で涙を流した。内紛と不振の中で、エースとしての責任を負って出場した彼女は、さまざまな悪材料の中でもついに銀メダルを獲得し、これまでの苦労を水に流した。
自分の涙が「周りの人たちに心配をかけた」と言い「これからは笑う」と誓った彼女は、今大会で女子3000メートルリレー銀メダルと1500メートル金メダルを首にかけ、最後は明るく笑った。平昌(ピョンチャン)大会の時、あまり感情を顔に出さず、「氷の姫」の異名を持つ彼女だが、今大会では誰よりもたくさん泣き、笑った選手となった。韓国は今大会、金2、銀5、銅2で総合14位となり、目標(金メダル1~2個、総合15位圏)を達成した。
五輪初舞台を飾った新鋭らが流した涙は、4年後を期待させる。フィギュアスケート女子のユ・ヨン(18、修理高)は18日、フリーの演技を終えた後、感極まっていた。「キム・ヨナ・キッズ」として10代初めから早くも注目されていた彼女は、今大会を控え、メディアのインタビューもすべて断るほど重圧を感じていた。出国日の午前5時に起きて練習をするほど、プレッシャーが大きかった。しかし、ついに立った五輪の舞台で、彼女は大きなミスなく競技を終え、夢の舞台に立った感激を涙で表現した。
悔し涙も欠かせない。日本スピードスケート女子代表の高木菜那(30)は15日、女子団体追い抜き(パシュート)決勝で首位を守っていたが、ゴールを目前にして転倒する不運に見舞われた。銀メダルを首にかけたものの、彼女はチームメイトに対する申し訳ない気持ちと金メダルを逃したことに対する悔しさから、表彰台でも涙を堪え切れなかった。彼女は19日に行われたマススタート決勝でも、金メダルを目前にしてもう一度転倒し、悔しい結果に終わった。平昌大会で団体追い抜きとマススタートの2冠に輝いた彼女は結局、銀メダル一つに満足するしかなかった。思いもよらなかった結果だったが、これもまたスポーツだった。
今大会の汚点として残る涙もある。フィギュアスケート女子の朱易(20、中国)は米国生まれだが、米国籍を放棄して中国代表として今大会に出場した。朱易がショートプログラム(SP)で転倒すると、中国版ツイッター「微博」の一部のネットユーザーは、「愛国心を語る前に、まず中国語を勉強しろ」と攻撃した。プレッシャーを訴えていた朱易は、続いて行われたフリーが終わった後、結局涙を流した。 成績至上主義と愛国主義という五輪の暗い面を見せたわけだ。
「薬物選手」に転落したカミラ・ワリエワ(16、ロシアオリンピック委員会)が見せた涙は、五輪が直面した苦境を最も劇的に示している。 今大会の最高スターといわれていたワリエワは、ドーピングが摘発されたにも関わらず、強行出場したが、17日に行われた女子シングルのフリーでミスを連発し、総合4位に止まった。沈んだ表情で戻った彼女に、コーチのエテリ・トゥトベリーゼ氏(48)は「なぜそうしたの?どうして戦いを止めてしまったの?」と叱責し、ワリエワは泣き崩れた。トゥトベリーゼ氏が10代の選手に内緒で薬物を使ったという疑惑までもちあがっているため、児童虐待という批判と共に五輪出場の年齢を高めるべきだという主張も出ている。
このように様々な涙が流れた冬季五輪が幕を閉じた。2022北京冬季パラリンピックは3月4日から10日間の道のりを始める。