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[北京五輪]涙流したワリエワ、憎しみ露わにしたトルソワ…ロシア選手たちに何が?

登録:2022-02-19 02:34 修正:2022-02-19 09:29
ドーピング問題のワリエワ、ミスと傷だらけの五輪 
トルソワ、銀メダル後「みんな大嫌い!」 
「悪女」と呼ばれるツートベリーゼ・コーチの非情さにも批判の声
コーチのエテリ・トゥトベリーゼ氏が今月17日開かれた2022北京冬季五輪女子フィギュアフリーの演技を終えたカミラ・ワリエワに上着をかけている=北京/タス・聯合ニュース

 涙のフィギュア演技を終えたワリエワ。彼女を迎えたコーチの第一声は冷酷だった。「何があったの、説明しなさい!」。非情な言葉にワリエワは顔をそむけた。

 彗星のごとく現れ、ドーピングで没落したカミーラ・ワリエワ(15、ロシアオリンピック委員会)は7日夜に開かれた2022北京冬季五輪フィギュアスケート女子フリーで、何度も転倒し、総合4位(合計224.09点)に終わった。優勝候補の筆頭に挙げられていた彼女のミスに観客席から嘆きの声がもれた。

 しかし、落ち込んだワリエワが演技を終えて出てくると、コーチのエテリ・トゥトベリーゼ氏(47)は、労いの言葉をかける代わりに彼女を叱責した。英国の「ガーディアン」は「なぜそんなことをしたの?どうして戦いを止めてしまったの?」とトゥトベリーゼ氏がロシア語でワリエワを責め立てたと報じた。同紙は「トゥトベリーゼコーチの成功は否定できないが、訓練方法は過酷である。クルエル・ドヴィル(ディズニーのアニメ『101匹のわんちゃん』の悪女)と呼ばれているが、悪役よりは慰めの抱擁が必要な瞬間だった」と皮肉った。

 同日、ワリエワの演技は見るに耐えないほど気の毒なものだった。英国のアイスダンシング・五輪金メダリスト出身のジェイン・トービルはBBCで、「ワリエワが二番目のミスの後、かなり急いでいるように見えた。早く終わらせてスケート場から離れたいと思っているようだった」と語った。ロシア女子フィギュアのゴッドマザーと呼ばれるタチアナ・タラソワ(75)は、海外メディアとのインタビューで「ワリエワは殺された。 何度も死んだ。それが今夜の私たちが見たものだ」と述べた。

 トゥトベリーゼ氏は最終点数の発表が出た時、号泣するワリエワの背中をさすったが、15歳の少女の未来は依然として不透明だ。昨年12月に提出したドーピングサンプルで狭心症治療剤であり、興奮剤の効果もある禁止薬物、トゥリメタジディンが検出されており、今後トゥトベリーゼ氏などロシアチームに対する全面的な調査が行われる予定だ。

 ロシアオリンピック委員会(ROC)は「五輪期間中にはドーピングが起きなかった」として、団体戦の金メダル守護の意志を明らかにしているが、大会序盤に取った団体戦の金メダルも無効となる可能性もある。

 しかし、国家的ドーピングに対する国際オリンピック委員会(IOC)の懲戒処分で今回の五輪でも国旗をあげることができなかったROCが、IOCとスパーツ仲裁裁判所を相手に金メダルを守れるかは不透明だ。

ロシアのアレンサンドラ・トルソワが今月17日に開かれた2022北京冬季五輪フィギュアスケート女子のフリー演技後、コーチのトゥトベリーゼ氏の言葉を聞いている=北京/ロイター聯合ニュース

 一方、同日2位になったアレクサンドラ・トルソワ(18、総点251.73点)は「みんな憎い。なにもかも大嫌い。二度と氷の上には上がらない」と言いながら、涙を流した。トルソワは同日、4~5回の4回転ジャンプを成功させるなど、技術面では金メダルを取ったチームメイトのアンナ・シェルバコワ(18、総点255.95点)をリードした。しかし、ショートプログラムの点数を合算した最終結果で銀メダルに止まると、こみ上げてくる感情を厳しい先生であるトゥトベリーゼ氏の前で爆発させた。ワリエワをはじめ、1位のシェルバコワ、2位のトルソワはいずれもトゥトベリーゼ氏の弟子たちだ。

今月17日午後、中国北京首都体育館で行われた2022北京冬季五輪フィギュアスケート女子で1、2、3位になった選手たちがリンク内に設置された表彰台に上がって、マスコットのビン・ドゥンドゥンと共に記念撮影をしている。左側からROCのアレクサンドラ・トルソワ、アンナ・シェルバコワ、日本の坂本花織=北京/聯合ニュース
キム・チャングム先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/sports/sportstemp/1031663.html韓国語原文入力:2022-02-18 16:13
訳H.J

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