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「伽耶本性」日本巡回展、事実上取りやめ

登録:2020-06-11 20:10 修正:2020-06-12 11:38
韓国国立中央博物館企画展 
「新型コロナ事態により展示しないことで日本側と合意」
昨年12月3日から今年3月1日まで、韓国の国立中央博物館で開かれた企画展「伽耶本性」の展示場。多種多様な伽耶土器数百点を展示した塔形の大型ガラスショーケースが目を引いた//ハンギョレ新聞社

 昨年末、歴史歪曲論議をかもして一部の展示品を交替するなど曲折を経た韓国国立中央博物館の特別企画展「伽耶本性」の日本巡回展が事実上取りやめになった。博物館側は、本来7~12月に日本の国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)と福岡の九州国立博物館で日本巡回展を開くこととし準備作業を推進してきたが、2月から本格化した新型コロナ事態により、安全のために展示しないことで最近日本側と合意したと11日明らかにした。

 「伽耶本性」展は、韓国の国立中央博物館に続き先月から今月6日まで釜山博物館に移り、韓国国内巡回展を終え、日本展示を待っていた。7~9月に千葉県にある国立歴史民俗博物館、10~12月には福岡の九州国立博物館での展示を予定しており、最初に展示する国立歴史民俗博物館は先月まで遺物引き取りを準備し、韓国・日本の専門家に招請状まで発送していたという。しかし、新型コロナ事態が拡散し、日本政府が東京などに緊急事態を宣言し、博物館を休館したうえに韓国からの入国者に対しては2週間の自主隔離を義務化するなど制限を強化したため、遺物搬入などに困難があると博物館側は説明した。博物館側のある関係者は「巡回展の期限は迫っているのに日本側は返答がなく、気をもんでいた。先月中旬、電子メールで遺物搬出の困難さを説明し、巡回展示は困難ではないかとの意向を伝えると、間もなく同意する旨の回答が来た」と伝えた。

 文化財関係者からは残念だという反応が多い。今回の展示が、2002年の韓日ワールドカップ文化財巡回展以来最大規模の日本展示で、過去の問題から行き詰まっている韓日交流に活路を開く契機になるとの期待を集めていたためだ。

 現在、韓国国立中央博物館は米国ワシントンのフリーア美術館にも仏教腹蔵遺物を貸し出し展示中だが、新型コロナ事態のために遺物返還が困難になり、今年末まで現地展示期間を延長することにしたと明らかにした。

ノ・ヒョンソク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/music/948965.html韓国語原文入力:2020-06-11 18:49
訳J.S

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