太陽光発電施設の建設工事中に発見された約2200年前の土坑墓から国宝・宝物(重要文化財)級の青銅製遺物が大量に発見された。
国立扶余文化財研究所は昨年8~9月、忠清南道扶余郡世道面青訟里一帯の紀元前2世紀頃の土坑墓1基を調査したところ、細形銅剣、牛蒡縞鏡(多鈕細紋鏡)、青銅製鈴(竿頭鈴)などの青銅遺物15点を確認したと3日発表した。 朝鮮半島で紀元前の鉄器時代青銅器遺物は全羅南道和順(ファスン)大谷里(テゴンニ)、全羅北道完州(ワンジュ)葛洞(カルトン)で大量出土した前例がある。 しかし、今回出土した青銅器遺物は武器類、工具類、祭器類など種類が多様で装身具(管玉)、石矢尻まで一緒に出てきた珍しい例なので一層注目に値する。 土坑墓は昨年7月に太陽光発電施設の建設工事中に発見され、研究所が緊急発掘調査を行い遺跡と遺物を収拾した。
土坑墓は平野に挟まれた低い丘陵の頂上部(海抜17メートル)にある。 岩盤を約1.5メートル掘り下げ木棺を安置した構造だ。 工事で毀損され現在は一部の土坑だけが残った。 出土した青銅器遺物の相当数は加工状態が精巧な高級品なので、この地域のかつての首長が埋められた墓と見られる。
研究所が青銅遺物12点の腐食生成物の鉛同位元素を分析した結果、遺物の原料産地はそれぞれ異なる地域だった可能性が大きいことが分かった。 牛蒡縞鏡は忠清道・全羅道の方鉛石(鉛の原料)鉱山で、青銅製鈴は太白山(テベクサン)盆地境界地点の鉱山で、その他の遺物は慶尚北道と江原道の鉱山でそれぞれ原石を掘り出した確率が高いと研究所側は説明した。 遺物がそれぞれ異なるところで作られたり原料が採取されていることから、交易がなされたと推定される。
出土した遺物は10~11日、扶余研究所で一般公開される。 電話(041-830-5649)で観覧を申し込めば解説士の説明と共に見ることができる。