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日本から戻ってきた神秘的模様の高句麗瓦

登録:2015-11-12 10:23 修正:2015-11-12 10:24
柳琴瓦当博物館の井内コレクション
統一新羅の瓦やレンガも注目される
引き渡し過程紹介する単行本も出版
おばけが背中に乗ったヒキガエルを描写した高句麗のヒキガエル模様半円軒瓦=ノ・ヒョンソク記者//ハンギョレ新聞社

 1400~1700年前に高句麗人が残した瓦は謎に満ちた古代文化の迷宮だ。大院君(テウォングン)の別荘・石坡亭近くにあるソウル・付岩(プアム)洞の北漢山の裾にある柳琴瓦当博物館を訪ねると、高句麗瓦が醸し出す神秘的な世界に引き込まれることになる。珍しい模様と共に象徴的な高句麗の貴重な瓦をショーケースで観れる。漢四郡から三国時代、統一新羅、高麗、朝鮮時代を網羅したこの地の最高の瓦のコレクションを集めた日本人医師の井内功氏(1911~92)が礎を築いた。井内氏の収集品の相当数を10数年前に引き渡されたユ・チャンジョン館長が初めて選び展示した「戻ってきた瓦当、井内コレクション展」(来年7月16日まで)が開かれる。

西域風人物像が目を引く高句麗の蓮華人面模様の軒丸瓦=ノ・ヒョンソク記者//ハンギョレ新聞社

 高句麗人は、新羅はもちろん朝鮮時代の故宮、両班家の韓屋の瓦模様とは大きく異なる様々なユーモラスな素材を模様にした。アーモンドやラクビーボールのような塊のようになった蓮の花びらの間で、鼻が大きくあごひげを生やした西域風人物が彫られた軒丸瓦の錢文は、その想像力に驚かせる。高句麗が突厥をはじめとする北方、西域民族と活発な交流があったことが察せられる代表的な遺物だ。蓮華模様と人の顔が登場する古代東アジアの瓦はこの作品が唯一だという。

平壌淸岩里の寺跡から出土した高句麗の棟鬼瓦=ノ・ヒョンソク記者//ハンギョレ新聞社

 うつ伏せになり今にも跳ね上がろうとするヒキガエルなどの上に火炎が燃え上がるように怒った顔のおばけ像が乗った半円軒瓦模様の正体はなんなのか。ヒキガエルは古代東アジアで天と人をつなぐ神霊な動物として崇拝され、高句麗壁画にも登場する。このヒキガエルにおばけが乗っている理由はなんだったのだろう。大きな目で怒ったおばけ鬼の高句麗瓦も見過ごすことができない。おばけ瓦を統一新羅四天王社跡をはじめとする新羅の名札跡の代表遺物のように考える傾向があるが、その源流を探ると、大目玉と荒々しい線の瑞気ある顔で強烈な気勢を抱かせる高句麗瓦のスタイルだ。平壌(ピョンヤン)の安鶴宮跡で出土したという高麗時代の蓮華模様瓦もあるが、北朝鮮の学者は出土地の性格上、高句麗のものだと見なし別の論争を起こした遺物だ。

 井内コレクションの真髄は珍しい模様の高句麗瓦類にあるが、瓦の品格と美学からすると統一新羅の瓦やレンガが迫ってくる。あの有名な宝相華紋と精巧な龍や守護神のように姿を描写した鬼門瓦、2羽の鳥が対を成した双鳥門、そして天衣をなびかせ極楽浄土の天を舞う飛天文様を刻んだ平瓦の孤高ながら煌びやかな姿が新羅の瓦を愛さずにはいられなくさせる。 日帝強制占領期間での伊藤庄兵衛のコレクションを巨額をつぎ込み買収した井内の格別な韓国の瓦への愛と晩年の国立中央博物館への寄贈、検事出身のユ・チャンジョン館長が彼の残りのコレクションを買収した経緯等を説明した展示会と同じ題名の単行本も国外にある文化財団から出た。

ノ・ヒョンソク記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-11-11 21:29

https://www.hani.co.kr/arti/culture/music/717032.html 訳Y.B