登録 : 2015.09.12 01:06 修正 : 2015.09.12 08:38

ユ・ジェソク氏は10年前からウトロに寄付していたそうです

「申し訳ありません…遅れました」。光復70年特集「配達の無限挑戦』でユ・ジェソクが深々と頭を下げている=MBC無限挑戦放送画面キャプチャー//ハンギョレ新聞社
 こんにちは。土曜版でチーム長を務めながら、生命面を担当しているナム・ジョンヨンです。トラ、イルカ、サギ、ヤギ、犬など動物の話を主に書いて来ましたが、そんな私も以前は人の記事を書いていたことがあります。その時に書いた記事のことを、このコラムで再び紹介することになりました。

 先週末、夏休みに大阪を訪れた時、会社から連絡が来ました。これは、十中八九、記事を書けということです。MBC(文化放送)の芸能番組である「無限挑戦」にウトロが出てきたと言っていました。ハハ氏とユ・ジェソク氏がウトロのお年寄りたちに故郷の食べ物を届けて、泣いて泣かされて大騒ぎだったと。旅行を終えて関西空港で仁川行きの飛行機を待っていたところでした。だから、訊きました。 「それじゃ、ウトロに戻りましょうか?」

 先輩は行けとは言えなかったし、私は知らないふりをして韓国に帰ってきましたが、「無限挑戦」を視聴しなかった方々のためにウトロについて親切に説明して差し上げることはできます。日帝時代に多く朝鮮人が日本に強制徴用されていきます。大半が戦争物資を生産する軍需工場で働きました。京都府軍用飛行場の建設現場でも、朝鮮人労働者が集団居住しながら働いていました。朝鮮人たちはハンバ(飯場)村で暮らし、1945年の解放以降にも、帰国しなかった人たちが残って自然と朝鮮人の村になったのです。そこがまさにウトロです。

日本京都の朝鮮人村ウトロ。ここも徴用で連行された在日朝鮮人を強制的に収容したところだった。日本の朝鮮人“ゲットー”で貧困はしばしば受け継がれた=リュ・ウジョン記者//ハンギョレ新聞社
 問題は、ウトロの土地所有者が「日産車体」という日本企業だったということです。半世紀以上、朝鮮人たちは不法滞在者扱いされ、所有権が何回も変わって再開発が進められたことで、強制退去の危機に追い込まれました。このような事情を取材しに行ったのが10年前のことです。2005年5月「今すぐ出張に行け」という『ハンギョレ21』の編集長の指示で、日本語といえば「トトロ」しか聞いたことがなかった私が、「ビール下さい」の一言だけを覚えて、翌日大阪行きの飛行機に乗り込みました。

 ヤクザ!私を迎えたのは、ウトロの土地所有者である井上正美氏でした。かなり勢力のある組織の方だと聞いておりましたが、苦労してこぎつけたインタビューで、彼は私にこう言いました。「私はヤクザではないです。とにかく韓国政府が5億5000万円でウトロの土地を買ってください」。それなら、買ってもいいかも。逆転の発想をしてみました。市民が率先して募金を集めたら、韓国政府と日本政府が責任を持って動くだろうと思ったのです。ハンギョレ21は、6月から「ウトロ国際対策会議」と「美しい財団」と共にウトロ再生のキャンペーンを展開しました。予想をはるかに超えて募金運動は燃えあがりました。毎週金曜日の締め切り日には、私は募金額が書かれたExcelファイルを記事にまとめました。その時、記事にできなかった話がいっぱいあります。

ウトロ住民たちを支援する「同胞生活センター」のキム・スファン代表とハハ氏、ユ・ジェソク氏とウトロ1世の姜慶南さん=「南山城同胞生活センター」提供//ハンギョレ新聞社
 今だから言えることですが、実際、その年の8月、ユ・ジェソク氏が、ウトロ再生に使ってくれと言って1千万ウォン(約102万円)を寄付しました。初めて入ってきた巨額だったので、興奮しましたし、感動しました。ありがたくてインタビューを要請しましたが、ユ・ジェソク氏は必ず匿名にしたいと丁寧に断りました。それからもう10年が過ぎましたので、インタビューを受けてくれるのではと思いまして、今月9日に再び連絡したところ、所属事務所の関係者を通じて、「多くの方々が参加したし、自分の寄付が特に大きな援助になったわけでもない」として、固辞しました。ウトロ村の人々に電話をかけて先月23日から24日まで、「無限挑戦」の撮影当時の話を訊いてみました。オンエアはされませんでしたが、ユ・ジェソク氏とハハ氏は夕食のおもてなしが終わってからも、深夜まで後片付けをして、町役場のカーペットを直接敷きなおすなど、礼儀正しく行動したと評判になっていました。ある方は私に耳打ちをしてくださいました。「撮影の時は何も言いませんでしたが、後で見たら個人的に大金を置いて行きました」。ユ・ジェソク氏がまた50万円を密かに寄付していったみたいです。

 韓日の市民社会の主導でウトロ運動はハッピーエンドで幕を下ろそうとしています。 15万人が参加した募金運動で、ウトロ再生を支持する世論が広がったことを受け、2007年、韓国政府はウトロ住民が土地を買い入れできるように、予算の支援を最終決定しました。2010年に韓日市民社会の募金額1億3000万円と政府支援金1億7000万円で、2011年までにウトロ地区の土地の約3分の1を買いました。住民は強制退去の危機から救われ、公営住宅の建設工事が今月中に始まります。

「無限挑戦」の放送以降、ウトロを訪れる韓国人が増えている。ウトロ村側は、韓国の市民団体「地球村同胞連帯」に知らせてから訪問してもらいたいと望んでいる。10日、ウトロを訪れた環境団体の「ホットピンク・ドルフィンズ」と住民たちが記念撮影をしている=ホットピンク・ドルフィンズ提供//ハンギョレ新聞社
 一つ残念な点もあります。住民たちが最新の公営住宅に入居できるのはいいですが、在日朝鮮人の歴史が込められた歴史的な空間が消えるという点です。「無限挑戦」が住民たちと町の写真をきちんと記録しておいたのも、そのためです。ウトロ住民会は「ウトロ歴史観」を建設する計画を立てましたが、2012年に追加で渡された残りの募金3000万円では、ギリギリだそうです。しかも、今ウトロには、テレビを見て、韓国人たちが訪れているそうです。住民たちが喜んで迎えいれてはいますが、見学する人たちをずっと連れて回るわけにはいかないのではありませんか。ウトロ村側は、韓国の市民団体「地球村同胞連帯」(http://www.kin.or.kr/)を通じて訪問計画を事前に知らせてもらえると、ありがたいと言っています。

 個人的な願いではありますが、ウトロ歴史観が無事に建てられて、韓日の歴史教育の場として活用してもらえたらと思います。もう一度韓国政府の関心と市民募金が行われれば、さらにいいでしょう。ユ・ジェソク氏が先にやって見せましたからね。日本へ行って、ビールも飲んで、歴史の勉強もして、いいじゃないですか?

ナム・ジョンヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-09-11 15:36

http://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/708497.html 訳H.J

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