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[インタビュー]ソウル大学街で空家を改造したシェアハウスを普及させる

登録:2015-02-13 15:16 修正:2015-02-15 18:08
オ・シェアハウスのオ・ジョンイク氏
オ・シェアハウスのオ・ジョンイク代表が11日、ソウル梨花女子大前のコーヒーショップでのインタビューで「今年中に10号店まで出す」と抱負を語ってくれた。写真キム・ギョンム先任記者//ハンギョレ新聞社

 「ソウルで一日1万ウォン(約1100円)で暮らせる家を用意します!」

 下宿の大学生、ワンルームやコシテル(共同の台所やトイレを使う独居房)で暮らすシングルの会社員には耳寄りな話だ。高騰する伝貰(チョンセ:家賃の代わりにまとまった保証金を出し退去時に返還される制度)費用や月極家賃に追いまわされるソウルで、一カ月たった30万ウォン(約3万3000円)で住居問題が解決できるからだ。

 知人2人と共に昨年オ・シェアハウス(www.osharehouse.net)を創業したオ・ジョンイク代表(32)は、近頃シェアハウスの仕事で忙しい。昨年11月にソウル梨花(イファ)女子大付近に1号店を出した後、2、3号店まで準備している。今月中に韓国外国語大付近に2号店、そして3月には再び梨大付近に3号店を出す予定だ。

 シェアハウスは他人同士が一つの家に住み、部屋は各自が別に使うが居間、トイレ、浴室などは共有する住居方式だ。日本など先進国で1980年代に登場した新たな住居文化で、最近数年間で韓国でも広がりだしている。ただ、オ代表のシェアハウスは少し特異な方法で運営されている。大学街の近くのみすぼらしい2~3階建ての建物や廃業した旅館、放置されたままの古い空き家を物色して賃貸借契約を結んだ後、リモデリングして住み心地のいい家に作り変える。そのためには不動産屋を尋ね歩かなければならず、かなりの労力を費やさねばならない。

昨年暮れに梨大前に1号店オープン
居間、トイレ、浴室などは共有
今月中に韓国外大近くに2号店予定
既存のワンルームでは部屋が小さすぎ
疎通し協力できる文化を作りたい

 地下鉄梨大前駅5番出口付近にある1号店は、屋根裏部屋がある2階建ての古い建物を、保証金7000万ウォン(約770万円)家賃20万ウォン(約2万2000円)で借りてリモデリングした。リモデリング費用に2700万ウォン(約300万円)かかった。現在20~26歳の11人(1階男6人、2階女5人)が入居している。オさんもここで一緒に住む。屋根裏部屋は共用のドレスルームとして使われる。保証金は2カ月分の家賃の60万ウォン(約6万6000円)ほどで、家賃は30万ウォン(約3万3000円)だ。

 「去年の春から実験的にシェアハウスをしてみたけど、思ったより若者たちの需要が多かったんです。そこで『一日1万ウォン月30万ウォンで暮らせる家を作ろう』との趣旨で3人集まって始めることにしました」

 2002年に大学に入学した大邱(テグ)出身のオ氏は、ソウルで下宿しながら大学(電子コンピュータ工学部)に通っていたが、就職難のため公務員試験の準備をすることになった。当時の下宿費(漢南洞の2人部屋)は40万ウォンを超えた。彼は「公務員試験の準備で大学をやめることを決心し、ずっと彷徨い続けた末にシェアハウスで人生の活路を見出せた」と話した。

 3人の共同創業者はそれぞれ異なる役割を果たす。3人とも大学を中退しているが、2000年初めにポスタックを創業して話題になったシン・チョルホ氏(44)が創業時に財政面で支援してくれた。オ・シェアハウス理事会議長を兼務するシン氏は1、2号店を出すまで1億5000万ウォンほど投資した。チャン・ソンウク氏(35)は主に不動産物件や競売入札を担当する。オンラインのホームページと入居運営の暮らし担当はオさんの役割だ。

 韓国外大近くの2号店開店のため、旅館だった2階建ての建物を保証金1500万ウォン(権利金700万ウォン別途)月80万ウォンで借りたが、建物の状態は1号店より悪く、リモデリング費用に2500万~2700万ウォンもかかってしまった。リモデリングは事業の趣旨に共感する専門家1人が助けてくれるという。2号店はオンラインで入居申請(13人募集)を受けつけるが、すでに70人ほどが申し込んでいる。

 シェアハウス事業のモデルは“共有経済”に属すというオ氏は、「空き家や廃業した旅館をリノベーションすることで、経済的に死んでいるものを生かすことになる」と考える。オ氏はシェアハウスは単に住居費用の削減だけが目的ではないと強調する。「シェアハウスはすばらしくておもしろい家です。既存のワンルームや自炊の部屋は味気なさすぎます。小部屋の雰囲気でしょ。少し住居水準を高めて生活の文化を多様にして、共同体生活の経験を増やし、互いに疎通し合って協力する、そんな住居文化を作れればと思っています。ワンルーム後の新しい住居様式と認められるようにしたい考えです」。彼の今年の目標は10号店まで出すことだ。

 創業者の境遇ではあれ収益性のある事業だという。オ氏は「一つの家に10人が入居すれば300万ウォンの月収が発生します。1、2号店を出すまで1億5000万ウォン程の資金がかかったけど、5号店まで出せれば1500万ウォンほどの賃貸料収入が発生し、建物の賃貸料、管理費、再投資金などを除けば共同創業者が月給を得ることができそうです」と今後を見通した。

文・写真キム・ギョンム先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015.02.12 22:31

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/678203.html 訳Y.B

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