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数字で見るディストピア、韓国

登録:2014-05-11 21:24 修正:2014-05-12 07:02

怒りの数字
新しい社会を開く研究院著
東ニョク 1万7000ウォン

例外がない。悪いことは1等、良いことはビリ

 老人自殺率 経済協力開発機構(OECD)1位,出産率 最下位(1.2人)。 臨時労働者比率1位(23.76%),労組組織率 最下位(10.3%)。 ここまでは常識に属する。 <怒りの数字>はこれまで漠然と感じていただけで、韓国社会の一貫した流れが生き生きした数字で目に飛び込んでくる不平等百科事典だ。 ゆりかごから墓場まで不公平なディストピアの数字だ。

 本は韓国人が生まれ、青少年期を経て、就職して、結婚して、子を産んで、老いていく生涯周期に沿って不平等の統計を吸い上げている。 最低出産率の背景にはOECD最下位の児童家族福祉支出(GDP比0.8%)が位置していて、子供を産んで大学まで行かせるのに3億1000万ウォン(約3000万円)かかる最悪の私教育依存現象が潜んでいる。(GDP比教育費民間支出1位)入試教育の悪夢は‘青少年死亡者10人中3人が自殺’という統計で確認できる。

 大学街周辺の平均住居賃借料がタワーパレスの坪当たり賃借料より3万4000ウォンも高いという逆説は、大学生・青年の貧困実態を見せる小さな断面に過ぎない。 最悪の雇用率を突き抜けて就職しても、事情は好転しない。 産業体の大部分を占める5人未満事業場の非正規職比率は79.5%で、300人以上の事業場(15.3%)より比較にもならない程高い。 賃金は3分の1にしかならない。 賃金が多くても少なくても、正規職でも非正規職でも、殺人的労働時間は同じだ。 2011年韓国労働者の年平均労働時間は2090時間で、OECD平均(1765時間)より325時間も多い。

 富者は益々富み、貧者は益々貧する現象も統計で確認される。 1985年以後、企業と家計の所得増加率格差は何と4倍に広がった。 10大大企業は123兆7000億ウォン(2012年)の現金を積み上げている。 アパートの貸切保証金価格上昇率は所得増加率の2.5倍にもなって、貯蓄だけで家を買うには平均27年かかる。 低所得層の住居費負担率(所得対比)は高所得層の6倍にもなる。 低所得層の医療費負担も高所得層の10倍以上だ。

 女性は一層劣悪だ。 性別賃金格差は37.4%で、OECDで断凸1位で、女性の低賃金労働者比率(41.3%)も1位だ。 共稼ぎ世帯の女性家事労働時間は男性の3倍に達する。

 見やすいグラフィックで効果的に編集されたこの本は、今までの大韓民国の政治が逆に作動していたという事実を改めて暴露する。 新しい社会を開く研究院で研究員として仕事をしている筆者は、エピローグで「この本は怒りだけのために書かれたわけではない」として「この本が未来のための第一歩になりうることを期待する」と話した。 イ・ジェソン記者

https://www.hani.co.kr/arti/culture/book/636467.html 韓国語原文入力:2014/05/11 20:33
訳J.S(1288字)

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