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[書評]韓国経済の奴隷階級、青年

登録:2014-10-05 22:41 修正:2014-10-06 06:41

『ソロ階級の経済学』
ウ・ソクフン著 ハンオル刊 1万8500ウォン

 青年の失業が深刻だ。就職は星を掴むほどに難しい。 増えているのはアルバイトとインターンばかり。 仮に就職できても非正規労働者だ。 こんな傾向がずっと続いたら?

“子供のいない人が全盛時代の新しい均衡のために”という副題をつけたこの本は「現在、“ソロ”の青年が増えており、今後は結婚も出産もせず子供がいない人の全盛時代が到来し、労働力の再生産が不能に陥り、国家経済が深刻な局面に至る」という陰うつな展望を提示している。

 ところで、これを裏付ける資料が不十分だ。「1人世帯数が増加しているという政府統計がある。 だが、それはアパートをもっと作らなければならないという土建族のためのものに過ぎない」。公式統計の不在と政策の不在は同じ話だと著者は語る。 「青少年200~300人に会った。 時期が来れば結婚するつもりかと尋ねた。 まとめて尋ねれば全員が『イエス』と答える。 一対一の面談になれば事情は変わる。 最初は対話自体を拒否する。 閉ざされた心を開くと『ノー』と言う。 それも確実に」。子供のいない人の時代に移行するという根拠は、政府の政策にある。 著者は韓国の労働状況をアメリカの黒人奴隷制にたとえる。 当時は奴隷制がなければ国民経済をまともに維持できず、ヨーロッパ国家に多くを奪われ、多くの農場が崩壊し地域経済にとり致命打になるという議論が主流だった。 奴隷を青年に置き換えれば、今の韓国とまったく同じだ。

 非正規労働者として一生を生きるほかないと考える青年たちの絶望感が、黒人奴隷に比べて果たして軽いだろうか?  違うとすれば、“韓国の奴隷”は出産しないため奴隷が再生産されないという点。 地域経済と放送局型産業の没落が不吉の前兆だ。 一人で暮らしやすい首都圏にソロが集まり、テレビのない世帯が増え、主たる収入源である広告の売り上げが減るためだ。

 対策は?  妙案はない。 それでも最低賃金の引き上げが最善だと著者は見る。今の2倍に引き上げ、時間当り1万ウォン(約千円)にしろというのだ。 非正規労働者2人の取り分が月300万ウォン(約30万円)ぐらいになれば、若い男女が同居できるようになり、そうなれば生産もするのではないか。 企業もやはり家族親和型に変えなければならない。 正月や秋夕(チュソク)に餅代を与えるのではなく、職場に保育室を作る。 子供と一緒に出退勤できれば育児の負担が減るのではないか。 政府は経歴が断絶する女性のための働き口のように、手遅れになってから騒ぐべきでない。

 著者はお年寄りに皮肉られる“貴族労組”が、まさに韓国の中産層だと語る。 青年たちが彼らのように正規職になって安定した生活の中で労働する時、経済が強固になり社会が安定するだろう。 だが、韓国では労働者が一層貧しくなり不幸になることが、経済が発展する道だと信じる人々が社会を率いている。 政府の要職を見よ。 出産と関係なかったり、引退後の生活だけが残った爺さんで満たされているではないか。 4大河川のような土建作業と青年失業の放置がしばらく続くだろうという不吉な根拠だ。 青年自らが目覚めるなり、あるいは伴侶動物を育てるなり。

イム・ジョンオブ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/book/658442.html 韓国語原文入力:2014/10/05 22:05
訳J.S(1482字)

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