『ギリシャと済州、悲劇の歴史とその後』
ホ・ホジュン著
ソンイン・5万2000ウォン
第2次大戦後の済州(チェジュ)4・3事件とギリシャ内戦。 当時、「韓国は極東のギリシャ」「朝鮮はギリシャ事態の再演」と呼ばれたほどに、両事件は似ている。二つの悲劇を貫通する核心要素は米軍の介入と東西冷戦。 米国は第2次世界大戦後、ギリシャとトルコの共産化、及びそれによる欧州と中東・アフリカへの波及効果を遮断するためにギリシャ内戦に本格介入したが、朝鮮戦争とその前哨戦であった済州4・3はそのコピー版だった。 両方とも、内部の左右葛藤だけでは説明できない、大国間のパワーゲームの犠牲となった国際的事件である。済州4・3事件の真実を追跡してきたホ・ホジュン<ハンギョレ>記者が、自分の修士・博士学位論文を土台に書いたこの本は、2つの事件の実態と類似点・差異点を掘り起こして歴史的意味を探る。 米国務省の資料を渉猟し、米国・ギリシャの現地取材まで行なった労作である。
1945年8月と1944年10月、それぞれ日本とドイツの支配から脱した両国は、圧倒的支持を受けていた進歩的民族解放勢力の代わりに、米国・英国の介入で反共右派政権が発足したが、その渦中に大規模な虐殺が行われた。
朝鮮戦争当時のヴァン・フリート米8軍司令官、智異山(チリサン)パルチザン討伐大将 白善燁(ペク・ソンヨプ)の“白野戦戦闘司令部”の顧問団長ウィリアム・ダーズ中佐が、ギリシャのゲリラ討伐戦で功を立てている点も興味深い。
ハン・スンドン記者