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[社説]‘自殺大国’の汚名返上は社会安全網の強化で

登録:2014-04-03 15:24 修正:2014-04-04 07:10

 保健福祉部は1日、自殺未遂者の面接調査と心理的剖検、国民認識調査に基づく大規模実態調査結果を発表した。我が国の自殺率が経済協力開発機構(OECD)加盟国中で9年連続1位を占めているという点を考えれば遅い感がなくはない。しかし今後の政策代案を整備するのに重視される資料という点から意味はあると見る。

 自殺という現象は心理学の対象と社会学の対象に分けることのできない問題だ。心理学的に接近すれば自殺を個人のせいにする残酷な論理に陥る可能性が大きい。社会学的な接近は統計数値の中で個人がおかれている具体的な暮らしや苦痛を見逃しやすい。両方とも警戒すべき態度だ。

 ところが福祉部が示した自殺予防策は過度に医学的な治療に焦点を合わせているように見られる。社会の社会安全網(セーフティネット)を手厚くするとという策は感じられず、全国民の心療診断を推進するとだけ明らかにしている。精神科の治療を通じて薬品を服用すれば少しの間は苦痛を忘れることが出来るかも知れないが、社会的問題がかくれ、自殺を誘発する構造的問題はより一層深まるばかりだ。結局自殺は心の弱い個人の責任として処理され、根本的な問題を放置している国の責任は分からなくなる。

 まず最初は、自殺を引き起こす社会構造を直すことに集中すべきだ。学校や職場で競争に追い込まれて疎外されたり暴力の犠牲者になるのを防ぎ、自殺予備群に属する高齢者や貧困層に物質的・精神的支援を拡充するのが政府がなすべきことだ。

 韓国の自殺率が現在のように高い時はかつてもあった。1960~1970年代の開発独裁の時期だ。1965年は人口10万人当たりで29.8人が自殺し、1975年の自殺率は31.9人だった。朴正熙式の圧縮近代化が既存の家族・親族・地域共同体を瓦解させ、社会安全網のない開発が人間を絶望に追いやったためだ。そのような非人間的な社会構造が世界10位圏の経済大国になった今でもそのまま存続しているのだ。

  それでも 応急措置が必要な人々には直ちに緊急救助網に導かねばならない。全北(チョンブク)鎮安郡(チナングン)が良い事例だ。鎮安郡(チナングン)は2011年の10万人当たり自殺者が75.5人で全国最高を記録した。驚いた全北道はアンケート調査を通じて自殺の危険が高い高齢者63人を把握し、専門家たちに月に一度ずつ老人たちを訪ねて相談を行うことにした。2012年の死亡率は21.8人に大きく下落した。1年間の変化だ。誰かが自分たちを見守ってくれているという気持ちを持つようになり、究極の選択をする老人たちが大きく減ったのだ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/630941.html 韓国語原文入力:2014/04/02 19:03
訳T.W(1202字)

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