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韓国 「バイトでも社長を泣かせられます」

登録:2014-03-31 20:28 修正:2014-09-05 15:18
‘バイトたちの愉快な反乱’を出した‘バイト連帯’パク・ジョンフン活動家
"バイトのくせに生意気だって? バイトも一つに集まれば力が強いんだ"
夜間アルバイト実態調査中のバイト連帯会員たち。 ハンギョレ パク・スンファ
<バイトたちの愉快な反乱>

 本は予想とは全く違った。 困難な事情が一杯に詰まって、同情心に訴えるのだろうという偏見は見事に砕け散った。 ‘バイトが知らなければならない勤労基準法’を克明に記したガイドブックでもなかった。 涙が出る事情の代わりに‘アルバイト労働者’が‘バイト労組’と共に戦っていくプロセスを載せた。 直ちに必要な‘踏み倒された賃金を受け取るる方法’ではなく、長い呼吸で戦える基盤を固める側を選んだ。 バイト労組の初の本<バイトの愉快な反乱>を書いたパク・ジョンフン(29)‘バイト連帯’活動家は「バイト労働者を‘かわいそうな青春’とばかり見る視角は、バイトを受動的に縛っておく他者の視線」と話した。 彼は「主体的に起ち上がり共に戦おうという気持ちで、本の題名も‘愉快な反乱’にした」と語った。

 去る26日、ソウル麻浦区(マポグ)のバイト連帯事務室で会ったパク活動家は 「闘争のパターンは似ている」と説明した。 バイト労働者が最低賃金と週休手当てなどの労働条件に対して問題提起をすれば‘社長’らは大概脅迫してくる。 ‘バイトのくせに生意気だ’、‘お前が何を知っていると言うんだ’、‘弁護士を選任した’などがいつもの対応方式だ。 バイト労組が介入すれば‘第三者は下がりなさい’として、交渉を拒否し警察を呼ぶことも茶飯事だ。 だが、バイト労組が記者会見で世論を集め、雇用労働部に陳情を出し‘法の通り’にし始めれば、社長は突然‘知らずにそうした。 申し訳ない’と言って未払い賃金を払うというやり方だ。 「事実、この過程で社長たちがたくさん泣きました。 バイトでも一つになれば力が強いということでしょう。」

パク・ジョンフン(29)バイト連帯活動家

 だが、戦いを始めることは難しい。 パク活動家は最低賃金を受け取れなくとも‘そんな契約をした私のせい’と責任を自分でかぶるバイトが多いと説明する。 「‘バイトが労働条件にガタガタ言うのか’という偏見が多いのです。 夜間労働と低賃金・長時間労働で肉体だけでなく情操的に守勢に追い込まれた人々も多いです。 戦う勇気を出すことは難しい状況でしょう。」 不安定労働を量産する韓国経済の構造を本に詳しく書いたのも‘あなたがバイトであることは、決してあなたのせいではない’というメッセージを伝えようという意図であった。

 今回の本は昨年6月に亡くなったバイト連帯前スポークスマンのクォン・ムンソク(当時35)氏が残した‘宿題’を本に構成したものだ。 クォン氏は活動家に向かって韓国経営者総協会の最低賃金凍結論理に反論する文を提出しろという‘宿題’を出した次の日の明け方に突然亡くなった。

 パク活動家は、最低賃金が上がれば失業率が高くなりえるという経済学の‘常識’を逐一批判して、‘最低賃金1万ウォン(約960円)’を主張する。 「バイト労働者が無視されるのは低賃金それ自体のためでもあります。 言葉だけで偏見を打ち破れと言っても効果がありません。」 <バイトたちの愉快な反乱>の価格は1万420ウォンだ。今年の時間当り最低賃金5210ウォンの2倍だ。本を出版したパク・ジョンチョル出版社が、意味を持った価格にしようと提案した。 パク活動家は「最低賃金が1万ウォンになれば本の値段を1万ウォンに下げるだろう」と言って笑った。

文・写真キム・ヒョジン記者 july@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/630583.html 韓国語原文入力:2014/03/31 18:39
訳J.S(1633字)

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