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目につくのは韓国映画ばかり

登録:2013-09-05 16:08 修正:2013-09-05 22:18
雪国列車-ザ・テロ-かくれんぼ-風邪
封切り1ヶ月足らずで観客数1700万
売上占有率はなんと81%
左から時計回りに<ザ・テロ><かくれんぼ><風邪><雪国列車>

斬新なネタとしっかりしたシナリオ
綿密に構成されたストーリー・俳優の熱演が結合
主な観客は今の社会問題に関心を持つ40代

韓国映画がものすごい勢いで興行成績を伸ばしている。去る6月に上映された<隠密に偉大に>を皮切りに「監視者たち」(7月)「雪国列車」(8月)が、海外映画を相手になんと3ヶ月続けて観客数1位を譲らない。国外・国内ともに商業映画の最大激戦区である8月だけを見てみると、この夏は国内映画がシーズン狙いの大型ハリウッド映画をすべて上位から押し出した形になっている。

■ 80%代占有率、「これが韓国映画の力」

 特に先月31日に上映された「雪国列車」「ザ・テロ ライブ」に続いて「かくれんぼ」「風邪」(以上は14日上映開始)など、四本の映画が20日までになんと観客数1700万を達成した。これで韓国映画は今年上半期、歴代最多観客数である5556万を記録したわけだが、この上半期の成績の内、1/3は約20日間上映された「雪国列車」を含む四本の映画が成し遂げたものである。また、この四本の映画の売上占有率はなんと81.1%(20日現在)。今月の記録的な韓国映画占有率である81.4%のほとんどを占めている。

 他の記録もこれら韓国映画の威力を示している。「雪国列車」は上映開始から19日が過ぎた8月18日時点で800万人を突破した。上映開始から2日間で100万、10日間で500万だった。矢継ぎ早に最短期間入場観客記録を更新している。「かくれんぼ」は中々ヒットが難しいスリラーものにも関わらず、わずか4日で元を取り(25億ウォン・140万人)歴代最短で損益分岐点を越えた。「風邪」、「ザ・テロ ライブ」も同様に各3日間と4日間で観客数100万を突破するなど猛烈な勢いで観客を集めている。

■ シナリオ・俳優・監督、揃った三拍子

最も興業に寄与した「殊勲者」は、やはりしっかりとしたシナリオが挙げ

られる。『映画がヒットするか否かは結局シナリオ次第』と、映画界の基本に忠実と言える結果といえるだろう。これらの映画はすべて監督が自分で脚本を書き演出も担当したことにより、スクリーンに本人の意図を余すことなく注ぎ込み、映画的完成度を高めた。それに加えてソン・ガンホ(「雪国列車」)、ハ・ジョンウ(「ザ・テロ ライブ」)、ソン・ヒョンジュ(「かくれんぼ」)、チャン・ヒョク、スエ(「風邪」)など、人気と演技力をあわせ持つ国内俳優たちが爆発的なチケット・パワーを呼び起こした。また、どれも目新しい素材と差別化されたジャンルに挑んだことも成功の要因として挙げられる。上半期の興業を牽引した「7号房の贈り物」、「ベルリン」、「霊媒ヤクザ」などが催涙系メロ、アクション、ギャグといった比較的ヒットしやすいジャンルを選んだのとはまた別の意味があるということで評価されるところだ。「ザ・テロ ライブ」を製作したイ・チュンヨン「シネマ2000」代表は“韓国最高の監督であるボン・ジュノ氏が期待に見合った「雪国列車」で興業の引き金をひき、ウェル・メイド韓国映画特有のスピード感とよく作り込まれた映画らが次々と上がってきたことにより、観客たちの間で『最近は韓国映画が面白い』という声が大きくなったのではないか”と分析した。

■ 観客は社会的素材に反応した

 これらの映画は階級間の命懸けの争い、罪もなく殺され忘れ去られた工事現場の労働者、取り壊される家に対する家族の破滅的執着など、敏感な社会問題を素材として使っている。この様に多少重そうな素材を積極的に受け入れた、以前とは違う観客たちの目線もまた韓国映画の「連続ヒット」に力となった。特に高齢層の反応が熱烈で、40代の観客が急増し、彼らによって家族観客層も同時に動き出したという分析が出ている。「雪国列車」と「風邪」の投資製作を担当したcjエンターテインメントのイ・チャンヒョン チーフは“投資製作者達も2、3年前からマンネリ化したヒット要素の代わりに新しいヒット要素を探していたが、この様な企画意図が実を結ぶと同時に最近変わってきた観客たちの趣向と上手く合わさったように見える”と語った。

 他には、今年四月からしばらく興味をひく韓国映画が出なかったために乾ききった観客層が、数ヶ月ぶりに続々と上映を開始した「ウェル・メイド」韓国映画で一気に喉を潤しているという分析も出ている。

 韓国映画のヒット進行は当分続きそうだ。上映館は事実上これら4本の韓国映画が4等分しているし、マット・デイモン主演の「エリシウム」と、アシュトン・カッチャー主演の「スティーブ・ジョブズ」が上映される29日以前にはこれといったライバルも無い状態である。来月11日にはまたもやヒットが期待されるソン・ガンホ、キム・ヘス、イ・ジョンジェ主演の「観相」(ハン・ジェリム監督)が封切りされる予定だ。

https://www.hani.co.kr/arti/culture/movie/600233.html 韓国語原文入力:2013/08/20 20:00
訳H.H.J(2192字)

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