本文に移動

[社説]金委員長との面会実現した特使団、これからは米国の説得を

登録:2018-09-06 06:24 修正:2018-09-06 07:32
チョン・ウィヨン国家安保室長を団長とする対北朝鮮特使団が今月5日午前、ソウル空港で空軍2号機に乗り込む前にお辞儀をしている= 城南/大統領府の写真記者団//ハンギョレ新聞社

 訪朝特使団が5日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に会って深夜に帰還した。特使団が金委員長に会えるかどうかに注目が集まっており、面会そのものが訪朝の成否を分ける基準だっただけに、金委員長と特使団の面会が実現したことで、今回の訪朝は最小限の成果を上げたと評価できる。

 特使団の任務は大きく分けて二つだ。今月中に開催予定の南北首脳会談の日程を確定することと、非核化交渉をめぐる米朝間の葛藤を仲裁することだった。このうち、南北首脳会談の日程を定めることは比較的難しくない問題であり、南北の間に合意が行われたものとみられる。朝鮮半島情勢が混迷した現在の状況では、南北首脳会談の日程を決めることだけでも重要な意味があるといえる。首脳会談を通じて、朝米交渉の動力を作り出すことができるからだ。

 特使団のもう一つの課題は、数カ月間にわたり空転している朝米の非核化交渉の突破口を見出すことだった。文在寅(ムン・ジェイン)大統領とドナルド・トランプ米大統領が、特使団の訪朝を控え、電話会談を行ったのは、この問題が米国にとっても重要な事案だったことを示している。特使団の前で金委員長が、朝米が鋭く対立してきた「先終戦宣言」と「先非核化措置」の妥協点を探る道筋を示したなら、特使団は所期の目的を達成したと言える。

 特使団が金委員長に南側の立場を十分に説明し、金委員長から北側の意見を詳しく聞いたものと見られるだけに、これから残された課題は、この会談結果をもって米国を説得することだ。3月の第1次訪朝同様、特使団が直ちにワシントンに行って、訪朝の成果を説明するのも一つの方法であり、それより先に文大統領がトランプ大統領と直接電話で内容を説明する方法もある。

 重要なのは、南北首脳会談と国連総会につながる「9月の機会」を逃がさないことだ。トランプ大統領が文大統領との電話会談で「訪朝結果を教えてほしい」と述べたことから、米国も特使団訪朝の結果によってそれなりの行動をする準備ができていると推測できる。韓国政府にとっては、北朝鮮の意思を確認することも重要だが、トランプ大統領が一歩踏み込んで妥協できるよう、誘導することも重要だ。政府は、朝米交渉の促進者として、今回の訪朝結果が膠着した交渉の突破口につながるよう、最善を尽くして次の課題に取り組むべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/860848.html韓国語原文入力:2018-09-05 20:46
訳H.J

関連記事