本文に移動

[ニュース分析]“新4党体制”の国会の展望は

登録:2016-12-23 00:35 修正:2016-12-23 09:08
セヌリ党の金武星前代表(右から4人目)、ユ・スンミン元院内代表(右から5人目)など非主流議員たちが21日午前、国会議員会館で27日に集団離党することを発表した後、肩を組んでいる=イ・ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社

 セヌリ党の非朴槿恵系の保守新党結成が現実化する中、与小野大の3党体制は「共に民主党・セヌリ党・国民の党・非朴系新党」の4党体制に再編される。政党体制の変化による損得の大きさは各党ごとに異なるが、4党体制が議会政治の躍動性の増大につながるという見方に異論のある人はほとんどいない。

 政治評論家出身のイ・チョルヒ民主党議員は22日、ハンギョレとの電話インタビューで「セヌリ党を除く残りの政党が国会議席の3分の2以上を持つようになるということが重要だ。60%という先進化法の敷居条項が無力化されただけに、改革的法案とイシューを進展させる余地が広がった」と話した。実際、従来の野党の議席数(民主党121+国民党38+正義党6+無所属6)に40議席前後と予想される非朴系新党の議席数を加えると、国会先進化法の案件迅速処理の可能ライン(180議席)はもちろん、改憲可能ラインである200議席も上回ることになる。セヌリ党がいくら強く反対しても、残りの政党が力を合わせればいくらでも案件処理が可能になるということだ。イ議員は「一言で言えば『改革のゴールデンタイム』が開かれたということ」だと話した。野党内部では立法化の可能性が高い代表的改革議題として、マスコミ改革と検察改革を挙げている。

 しかし民主党の一部の楽観とは異なり、「状況進展」の鍵は非朴系新党が握っているというのが政界の大方の見方だ。アイデンティティと政策路線の側面において、既存の野党3党内部の違いより非朴系新党と野党3党との隔たりが大きいからだ。野党3党が合意しても案件処理の最終決定権は非朴系新党が握ることになる可能性が高いという意味だ。非朴系新党と民主党など他の野党が合意して推進できる改革立法の領域は、社会・経済懸案の一部になるものとみられる。非朴系が新党の価値とアイデンティティを「安保は保守、経済は改革」と内部的に決めたからだ。ユ・スンミン議員も22日にハンギョレとのインタビューで「財閥、労働、税金、福祉、教育、住宅などの問題を長い間考えてきたため、事案ごとに野党と協力して合理的に立法化していくつもりだ」と明らかにした。非朴系の関係者は「私たちは法人税引き上げに大方賛成する。懲罰的損害賠償制の導入や社会的経済基本法などの経済民主化法案も処理を検討できる」と述べた。

 4党体制はしかし、合意のプロセスがさらに複雑化するという側面もある。議会の交渉テーブルにアイデンティティと利害関係が異なる参加者がもう一人割り込む場合、調整と妥協に一層多くの時間がかかる場合があるからだ。争点となる特定懸案をめぐり利害関係が縮まらない場合、他の立法課題まで処理が遅延される「グリッドロック」(交差点の交通渋滞)状態に陥る可能性が高い。民主党が懸念しているのもこの点だ。ウ・サンホ院内代表は前日、国会議員会館で開かれたある討論会で「利害関係によってこの党とあの党がくっつきもし、このテーマで議論していたのに他の議論に移ったりもして、このようなおかしな現象が繰り返され国会内が撹乱される可能性が大きい」と憂慮した。

 議会の膠着状態が繰り返される場合、多党体制に対する嫌気や不満も大きくなるという点を考慮すれば、4党体制の寿命は思ったより長くないという見通しも出ている。首都圏のある民主党の再選議員は「13代国会の4党体制は確固たる地域基盤の上に立っていたが、2年を待たずに3党合党で崩壊した。社会的基盤がさらに脆弱な「新4党体制」は大統領選党内選挙や本選の結果によって、2党や3党体制に回帰する可能性を排除できない」と話した。

イ・セヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/775818.html 韓国語原文入力:2016-12-22 22:19
訳M.C(1808字)

関連記事