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[ニュース分析]二つに分裂した韓国保守…「4党体制」大激変始まる

登録:2016-12-22 01:59 修正:2016-12-22 07:08
非朴系35人「27日に離党」 
史上初の保守政党の“分裂”が現実化 
潘基文国連事務総長、事実上の大統領選挙出馬宣言 
「第3地帯」の行方が大統領選挙構図も揺さぶる可能性

 大統領選挙が前倒しになる可能性が高まる中、政治地形を揺るがす地殻変動が始まった。1回目の震源地は「セヌリ党非主流」だ。

 「朴槿恵(パク・クネ)弾劾以降」を模索していた与党セヌリ党の非主流は21日、保守新党の結成を宣言した。同日朝、離党届を作成し、27日に離党を決意したセヌリ党非主流議員は金武星(キム・ムソン)、ユ・スンミン、チョン・ビョングク、チュ・ホヨン議員など、院内交渉団体構成要件(20人)をはるかに上回る35人に達した。憲政史上初の保守政党の実質的“分裂”が現実のものとなったのだ。今後、セヌリ党を離党する議員がさらに増えるとみられており、新党は国民の党(38議席)を上回る第3党になる可能性が高い。政界が交渉団体の基準で、共に民主党、セヌリ党、非主流保守新党、国民の党の4党体制に変わり、今後の政局の不確実性はより高まることなった。4党体制は1990年に平和民主党を除いた民主正義党・統一民主党・新民主共和党が民主自由党に合併して以来、26年ぶりのことだ。

セヌリ党の金武星前代表(右から4人目)やユ・スンミン元院内代表(右から5人目)など非主流議員たちが21日午前、国会議員会館で27日に集団離党することを発表した後、肩を組んでいる=イ・ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社

 多数野党と保守二党体制がはっきりしただけに、当面政界の関心は保守二党のうちどちらが30~40%の固定保守支持層を獲得できるかに注がれるものとみられる。新党の核心軸である金武星前代表は「新しい道を行く前に、国民の皆様に心からお詫び申し上げて許しを請う」としながら保守層の支持を訴えており、ユ・スンミン議員も「再び国民の心を取り戻すと共に、子供たちにも胸を張ることができる保守を新たに始める」と覚悟を明らかにした。一方、セヌリ党の親朴系は依然として「我々も変わる。支持層は結局、セヌリ党に結集するだろう」という自信をのぞかせている。

 新党の成否に対する予想は分かれている。明知大学のキム・ヒョンジュン教授は「保守分裂はこれまでもイ・インジェ議員の離党、イ・フェチャン氏の無所属出馬などがあったが、今回の非朴系の離党は改革と革新という名分を掲げたことから、第3地帯が広がる効果があるだろう」と肯定的に評価した。一方、ユン・ヨジュン元環境部長官は「国民の目からすると、親朴であれ、非主流であれ、国政運営を破綻させた勢力という点では同じであり、離党したからと言って新しい政治勢力と見なされることはないだろう」とし、「これから代案政党になれるかどうかを判断するためには、彼らの言動を見極めなければならない」として評価を留保した。

 世論のもうひとつの関心事は、4党体制によって広がりを見せている「第3地帯」の空間がいかに区画整理され、これを通じて有力な大統領候補が生まれるかということだ。文在寅(ムン・ジェイン)という確実な大統領候補がいる野党とは異なり、第3地帯には、今回離党したユ・スンミン議員とナム・ギョンピル京畿道知事、国民の党の安哲秀(アン・チョルス)議員をはじめ、孫鶴圭(ソン・ハッキュ)元民主党代表、金鍾仁(キム・ジョンイン)前共に民主党代表、チョン・ウンチャン元首相、チョン・ウィファ前国会議長、イ・ジェオ・ヌルプルン党共同代表など、理念的スペクトラムが多様で連帯が不可欠な人物と勢力が散在している。

 また、同日、事実上の大統領選挙出馬宣言をした潘基文(パン・ギムン)国連事務総長も、大統領選挙の構図を揺るがすもう一つの“震源”になる見通しだ。事実上“脱朴槿恵”を宣言した彼は、第3地帯に参入して混乱した空間を整理する可能性を持った人物とみられているからだ。セヌリ党の非主流と国民の党が潘総長に求愛するのも、このためだ。潘総長が別の道を選んだら、大統領選挙そのものが多者構図で行われる可能性もある。潘総長は20日(現地時間)、ニューヨークで開かれた特派員記者会見で、大統領選挙に出馬する意向を明らかにし、「政治は一人でできることではない」として、既存勢力との連帯の可能性を残した。

 早期の大統領選挙に向けた各政党と候補者の合従連衡と競争の幕があがった中、今後憲法裁判所の弾劾審判、改憲論などがあいまって、政界には第2波、第3波の強力な余震が避けられない見通しだ。

ソク・ジンフヮン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/775623.html 韓国語原文入力:2016-12-21 20:38
訳H.J(2106字)

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