LGBT
米連邦最高裁の同性結婚合法化判決のニュースに、28日ソウル市庁前のソウル広場で開かれた第16回クィア文化祝祭の閉幕式は興奮に包まれた。 同性愛者、両性愛者、トランスジェンダーなど性的少数者たちが参加したこのイベントには、マーク・リッパート駐韓米国大使など13カ国の外交官も参加した。 反面、保守改新教団体のメンバー数千人は行事会場周辺で「同性愛で国が滅びる」と叫び終日反対集会を開き、その一部は主要行事である“クィアパレード”を妨害し騒ぎ立てた。
30度を超える猛暑の中でも祝祭に参加した市民1万人余(警察推算7000人)は、午前中からイベント会場であるソウル広場に三々五々集まり、踊ったり歌を歌ったり芝に座ってビールを飲むなど非常に楽しそうだった。 クィア文化祝祭は2000年にソウル・大学路(テハンノ)で初めて開かれて以来続いてきたが、ソウル広場で開かれたのは今年が初めてだ。 祝祭のスローガンは昨年の「愛は嫌悪より強い」に続き、今年は「愛しなさい、抵抗しなさい、クィア レボリューション」だ。
自身がゲイだと明らかにしたイム氏(24)は「今日は私たちが最も自由に、そして気楽に楽しめる日で、自分は3年前から祭りに参加している。私たちを応援してくれる人々の認識もどんどん変わってきていることが感じられる」と話した。 フィリピン人のパートナーときたというヨ氏(42)は「私たちは新婚夫婦です」と書いたプラカードを持っていて注目を集めた。 ヨ氏は「先月結婚したが認定を受けられないので永住権が取れずにいる。米国連邦最高裁判決でとても喜んだが、韓国にも影響が及んで欲しい」と話した。 参席者たちはレインボーフラッグ(LGBT)の虹のうちわと旗を打ち振った。 赤・橙・黄・草緑・青・紫の6色は、性的少数者が掲げる多様性の象徴として使われてきた。
イベントには米国、フランス、ドイツ、ヨーロッパ連合(EU)など13カ国の外交官たちやグーグルコリアなどグローバル企業の幹部たちも参加した。 リッパート米国大使は韓国で初めて同性結婚合法化訴訟を起こした映画監督キムチョ・クァンス氏に会った。キム氏は「リッパート大使が『あなた方夫婦が公開結婚したことを知っている。米国のように韓国でも同性結婚が法制化されることを願う』と話した」と伝えた。 今年で2回目の祝祭参加だというグーグルコリアのチョンギム・ギョンスク常務は「グーグルは性的少数者を支援してきた。 他の企業も性的少数者の人権と多様性問題に多くの関心を持って支援して欲しい」と話した。
午後5時からはメイン行事であるクィアパレードが行われた。 参加者たちはソウル広場を出発し乙支路(ウルチロ)~退渓路(テゲロ)~小公路(ソゴンノ)を経てソウル広場に戻ってくる2.6キロメートルを行進した。
クィア文化祝祭とパレードに激しく反対してきた保守改新教団体の会員9000人余は、大極旗を打ち振り“嫌悪扇動”を行った。 彼らは韓服を着て太鼓を叩いたり、泣き叫んで祈祷を上げた。「血と汗を流して作った国が同性愛で崩れる」 「性的少数者は多数の人権剥奪者?」等のスローガンを書いたプラカードを持ってデモを行った。 ペク氏(65)は「神の摂理に逆らう同性愛に反対する。同性どうしが結婚すれば神が激怒するだろう。血盟である米国も覚醒しなければならない」と主張した。一部の反対者らは、ロシアの作曲家チャイコフスキーの音楽に合わせてバレー公演も行った。 チャイコフスキーは同性愛者として知られている。リッパート大使が襲われた直後「快癒・扇の舞い」を踊った改新教団体も同性愛反対集会に出て来たが、リッパート大使はクィア文化祝祭に参加して対照的な姿を見せた。
警察はソウル広場周辺に大人の背の高さの遮断壁を設置し、警察官5100人程度を配置し、両者の衝突に備えた。