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古里原発1号機「永久停止」、原発廃炉の扉をあけた

登録:2015-06-12 22:38 修正:2015-06-13 07:33
釜山市機張面の古里原発1号機=資料写真//ハンギョレ新聞社

 韓国政府が韓国国内の原発が商業運転を開始してから37年後に初めて永久稼動停止を勧告し、歴史的な初の廃炉が始まることになった。 老朽原発の廃炉が目前の現実となり、使用済み核燃料と原発廃棄物の永久処分、安全問題、廃炉費用など、原発の隠れた社会・経済的コストに対する公論化が本格化すると見られる。

 産業通商資源部長官所属の国家エネルギー委員会は12日、ソウル・小公(ソゴン)洞のロッテホテルで、委員長のユン・サンジク産業部長官主宰で会議を開き、国内初の商業運転原発である釜山・機張(キジャン)郡の古里1号機の廃炉を原子力発電所事業者の韓国水力原子力(韓水原)に勧告することを決めた。 ユン長官は会議直後に「韓国の原子力発電所産業の中長期的発展のために永久停止が望ましいという結論を下し、これを勧告することにした」と明らかにした。 エネルギー委員会は国家エネルギー政策審議機構で、この日の会議には産業部長官、環境部次官など政府委員と民間委員25人のうち19人が参加した。

 古里1号機は1978年4月に商業運転を始め、2007年6月18日に設計寿命の30年が満了した。 以後、一度継続運転許可が下され、2017年6月18日まで寿命が延びた。 原子力安全委員会(原安委)に2回目の寿命延長を申請するには現行法上安全性検証手続きなどを考慮し、韓水原は18日までに申請を出さなければならない。 韓水原は16~17日に理事会を開き、申請有無を最終決定する予定だが政府の勧告と異なる結論を下す可能性はきわめて少ない。 韓水原が廃炉を決めれば、2018年7月までに原安委に解体計画書を出すことになる。

 産業部は、この日のエネルギー委員会で古里1号機の永久停止に賛成する意見が優勢な雰囲気であり、ユン長官がこれに基づき最終的に永久停止決定を下したと伝えた。 チョ・ソク韓水原社長は、経済性・安全性共に問題がないという意見を出した。 だが、相当数の委員は経済性が不確実なうえに最近の原子力発電所不正で落ちた国民の信頼を回復するには永久停止決定が必要だという意見を出した。 結局、与野党政界の廃炉要求と釜山住民の憂慮情緒が広く反映された決定がなされたと見られる。

 政府は廃炉を終えるのに少なくとも今後15年程度かかり6000億ウォン(約660億円)の費用がかかると見通した。 だが、日本などの外国事例を考慮すれば、所要時間と費用は雪だるま式に増える可能性が高い。産業部は追加費用の発生問題に関して、「電気料金(上昇)要因になる」と話した。 産業部は韓国国内の原子力発電所解体技術を先進国対比で70%水準と評価した。 だが、韓国国内では小規模研究用原子炉解体以外には経験がなく、専門担当者も不足しているため相当な難航が予想される。

 産業部は今後、韓国国内の老朽原子力発電所の寿命延長の可否については個別的に判断する事案だと線を引いた。 チョン・ヤンホ・エネルギー資源室長はこの日のブリーフィングで「すべての原子力発電所が今後2回目の延長が許可されないわけではない」と明らかにした。 韓国内では2029年までの今後15年間に11基の原発が次々と設計寿命を終えることになる。

ソン・ギョンファ、パク・ヒョンジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/695794.html 韓国語原文入力:2015-06-12 20:00
訳J.S(1621字)

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