南シナ海を巡る米国と中国の緊張が高まる中で、駐米中国大使が「米国はアジアで冷戦を再演しようとするつもりなのか」と米国を強い語調で批判した。
崔天凱大使は29日、米紙ウォールストリート・ジャーナルとのインタビューで「今の米国の行為は中国で多くの疑問を呼び起こしている」として「米国はなぜ過剰反応を見せ、中国の近くに多くの艦艇と戦闘機を派遣して偵察活動を行うのか」と述べた。 さらに「いったい米国の本当の意図は何か。 米国はアジアで冷戦を再演しようと試みるつもりなのか」と批判した。
崔大使は、最近ジョン・ケリー国務長官が中国を発つとすぐに米国が対中国攻勢を強化し、軍用機に米国の記者を搭乗させて南シナ海を飛行したと論じて、「米軍が(中国を)挑発して緊張を高める意図を持っていることを示している」と主張した。 彼はアシュトン・カーター米国防長官が中国の南シナ海人工島建設を中断することを促したことに対して、「米国が中国の近くで行っている偵察活動を中断することが建設的方案だろう」と正面から受けた。
彼は米国に対して「誰かが領域内緊張の悪化を見たがるならば、それはこの地域に軍事力を配備して、冷戦式の同盟を構築し、新しいミサイル防御システムを作るための道具にしようとすること」と主張した。 彼は米国がアジア諸国と軍事同盟を強化していることに対して「そのような同盟は本質的意味で全て反中国的」とし「そのような同盟はライバルとして、さらには敵として中国を狙おうとするものだ。 これは最も危険なこと」と批判した。
中国高位官僚のこのような発言は、南シナ海問題を巡る対決構図から一歩も退かないという中国の強い意志を表わしたものと解釈される。
中国外交部は30日、華春蛍・報道官名義の声明を発表して「米国が歴史と法理、事実関係を無視して南シナ海での中国の主権と権益に対してああだこうだと言って不和を作り出している」として「中国はそれに断固として反対する」と明らかにした。 孫建國・人民解放軍副総参謀長も31日、シンガポールで開かれたアジア安保会議(シャングリラ対話)で「南シナ海は全般的に安定的であり航海の自由と関連した問題は全くない」として米国の態度を批判した。